「野中くん発 ジブリだより」2021年4月号

 「アーヤと魔女」がいよいよ4月29日(木・祝)から劇場公開されます。原作は「ハウルの動く城」と同じくダイアナ・ウィン・ジョーンズさん。スタジオジブリ初の全編3DCG作品で、宮崎吾朗監督の長編第3作となる本作は、昨年末にNHK総合テレビで放送され好評を博し、この度の劇場公開となりました。企画の宮﨑駿監督は「アーヤのしたたかさというのは、ずるいということじゃない。昔はみんな持っていて、なぜか無くしてしまったもの。こんな時代を生きるために、必要なことなのです。」と語ります。新たなカットを加えて公開される「アーヤと魔女」、明るく元気でしたたかなジブリの新ヒロインの劇場デビューです。ぜひご覧下さい。なお、新たな関連書籍『子どもりょうり絵本 ジブリの食卓 アーヤと魔女』(主婦の友社)が4月28日(水)に発売予定です。ジブリ初の料理の絵本。こちらもどうぞよろしく。

 さて、4月15日(木)から松屋銀座8階イベントスクエアで「アニメージュとジブリ展」が始まります。1978年に創刊された日本初のアニメーション専門誌『アニメージュ』。翌年放送された「機動戦士ガンダム」などを積極的に採り上げアニメブームを牽引し、1つの大きなムーブメントを生み出しました。当時徳間書店の社員だった鈴木敏夫プロデューサーは創刊号から編集に携わり、高畑勲・宮崎駿両監督と出会います。やがて同誌編集部が中心となって1984年に映画「風の谷のナウシカ」が生まれ、その成功により翌年スタジオジブリが設立され、ジブリは第1作「天空の城ラピュタ」を制作します。展覧会のコピーは「一冊の雑誌からジブリは始まった」。当時のアニメブームの熱気、いかにそのブームを『アニメージュ』が盛り上げたか、そしてジブリがどのように生まれたかを貴重な資料で展示します。単なるブームの回顧ではなく、世界のアニメーションとポピュラーカルチャーを変えた、ある歴史的社会現象の展示にもなっているのではないかと個人的にも期待しています。開催は5月5日(水・祝)までで、チケットは日時指定制ですのでご注意を。詳しくは 「アニメージュとジブリ展」 をご覧下さい。

 展覧会についてはもう1つ、「高畑 勲 展」 が福岡市美術館で4月29日(木・祝)から始まります。東京、岡山と大変好評だったこの展覧会、九州方面の方はぜひどうぞ。