2008年02月

2月1日(金)
今日は毎週恒例のラッシュの日。今日のラッシュはリテーク込みで22カット。ラッシュもDパートの完成映像が少しずつ出るようになり、ようやく制作も追い込みに入ったんだなと感じさせられる本日のラッシュなのでありました。
 
ところで本日は、星野社長の就任記者会見。その模様を写真でドキュメント。
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「東宝アドチームと広報・PD室スタッフは朝早くから準備を。ごらんのように会場はジブリ1スタののバーです。」
 
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「姉さん女房をもらったプロ野球選手の記者会見...ではありません」
 
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「10時を過ぎて、星野新社長が出社してきました。おはようございます!」
 
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「テレビカメラのとなりに、机公式カメラマン。社長就任会見という大イベントに、いつになく表情が真剣ですね。」
 
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「会見が始まりました。広報のN部長は珍しく台本を用意しています。いつにも増して緊張してるようです。」
 
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「フォトセッション。新社長はちょっとだけトトロに似てるという声も。いい感じですね」
 
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「会見後にはたくさんのお花が届いてます。地元の商店街からも届きました。みなさん、ありがとうございます。」
 
 
2月2日(土)
社長交替の案内を送ることになり、モタモタしているうちに、夜の7時くらいから作業を開始するハメに。はっきりいって、甘く見てました(涙)。案内状を二つに折って封筒に入れ、封かんし、宛先のシールを貼るという単純な作業なのに、PD室の小林さんと広報のN部長だけでは、やってもやってもキリがない。制作のサンキチも手伝ってくれたのだが、夜中の11時になっても半分くらいしか終わらない。そんな時に、飲み会帰りのスタッフたちが駆けつけてくれて、みんなに作業を手伝ってもらう。そして、午前1時くらいにはなんとか1581通の案内状の制作作業を終わらせることができたのだった。あとは発送のみとなり、振り出した雨の中、ネットで調べて24時間開いている大泉郵便局まで発送のために、ひとり出かけるのN部長の背中がさびしそうであった。
 
 
2月4日(月)
昨日、東京地方は積雪して都内は大混乱に。車の玉突き事故や転倒での怪我などが多発したらしい。ジブリには雪国出身の人が多いので、積雪時の対処のノウハウを色々教えてくれてとても参考になる。雪かきや歩く時の姿勢でも力の入れどころ一つで疲れ方が違ってくるので驚いてしまう。そんな雪国出身の人から見ると、都内で積雪時にノーマルタイヤで買物に行く人やヒールが高い靴や普通の革靴で歩く人達を見ると呆気に取られ、都民の雪への対応力の無さを感じてしまうという。
そんな中、九州出身の制作サンキチは回収に行く時、スタッドレスタイヤを履いているのに、「チェーンは付けなくて大丈夫ですか?」としきりに心配していて、それを見送る制作陣を不安にさせていた・・・。
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「昨夜の吹雪いている埼玉あたりの様子」
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「確かにチェーンを巻いて出社したスタッフもいました」
 
 
2月5日(火)
毎週定例の制作会議で各人の報告を聞いた後、部長の渡邊さんが「2月中にどれだけのカットを消化出来るか。今月で制作の大勢は決まる事になる」と一言。ジブリの長編アニメーションは、予定よりも遅れた月のシワ寄せは2ヵ月後に表れる。つまり、遅れた月や翌月は遅れた事がそんなに影響が無く進むが、翌々月にその遅れた事が原因の問題が次々に各セクションに表れてくる。制作期間が序盤なら色々と策を講じて乗り越えられるが、2月末の約2ヵ月後は5月上旬で動画までは終わってなければならないので、その時に制作が取れる策はほとんど無い。
今月どれだけ円滑にカットを回せるかが作品制作の質と公開時期を決める肝となるのだ。
 
この日の午後、恵比寿に出来た新事務所、通称“第2れんが屋”で試写と会議が行なわれる。3月15日公開する「パンダコパンダ」の宣伝会議だ。恵比寿にある“れんが屋”は、ラジオの収録でもすっかりおなじみとなっているのだが、いかんせん狭い。ちょっと人が集まるには、何かと不便だったため、もっと大き目の部屋を借りたというわけ。今度の部屋もれんがの内装で、とても落ち着く隠れ家的な部屋で、これから都心での打ち合わせがどんどん増えそうだなあと、嬉しいやら悲しいやら...。
 
 
2月6日(水)
この日は、朝からまた雪。今年になって何度目の雪だろう。昨年は暖冬で、全く雪が降らなかったのだが、今年は例年になく雪が降る。というのも意外なことに、暖冬の影響だとか。厳しい冬だと、ここ東京では晴れて寒い日が続くものなのだ。やはり、温暖化対策は急務である。

先週の星野新社長の就任会見後、沢山の関係各社や関係者の皆様からお祝いのお花や電報が届いている。追い込みで疲れが溜まっているスタッフもその豪華な花々にすっかりリフレッシュされている様子。日頃見る機会の無い最高級の胡蝶蘭などもあり、作画の参考にと穴が開くほど細部まで見ているスタッフもいた。
今日は、赤坂プリンスホテルからは飴細工で作ったトトロが乗った特大ケーキがお祝いで届き、これにはみんな大喜び!美味しいケーキと綺麗な花に囲まれて幸せな午後でした。
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「見事な飴細工ですね。もったいなくて食べられないです」
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「撮影しているうちに、思わずなめてみたくなったのでしょうか(笑)」
 
 
2月7日(木)
午後に、久しぶりに吾朗さんの取材が行なわれる。今秋行なわれる、多摩・武蔵野検定のテキストの取材だ。取材は草屋で行なわれたのだが、ここの窓からは景色が良く見える。草屋近くにある畑は、新宿から中央線に乗って初めて見える畑なのだとか。吾朗さんが語るいろいろな話を聞いているうちに、玉川上水の梅は咲いただろうかとか、事務所の前の桜はいつ咲くのだろうかとか、武蔵野の自然に思いを馳せたひと時だった。
 
 
2月8日(金)
外注原画の○田さんが作打ちの為に来社。○田さんは他会社の劇場作品で引っ張りだこの原画さんでポニョの制作が始まってからずっと交渉し続けてようやく打ち合わせを迎える事が出来た。○田さんは今までジブリでゲド戦記や短編物では参加してくれたが宮崎作品では初となる。どの様な原画を上げてくれるか、監督とのやりとりも含めて今から本当に楽しみである。
作打ちもこれで残り20cut。再来週には作打ちは全部終わる予定で、いよいよUPが近くなってきた。
 
 
2月9日(土)
ポニョに参加してくれている美術の男鹿さんが背景の上がりを持って来社。この上がりをもって男鹿さんのポニョの作業はすべて終了。
今回男鹿さんには、海・山・森・花・雲という自然物を中心に約100cutの背景を描いてもらった。そのどれもが美しく柔らかで、上がりをチェックする吉田さんはその都度、「良いですね~」と感嘆の声を出していた。メインスタッフに励ましの声を掛け、「初号(スタッフ試写の事)楽しみに待っています」と言って、雪の中を帰っていく男鹿さんの背中からは絵職人の気風が確かに感じられた。
 
 
2月11日(月)
今日は祝日ですが、ジブリの作画フロアは「ポニョ」の公開に向けてフル稼働中です!
さてさてそんな中、ビックニュースが飛び込みました◎
なんと、原画担当の米林さんがこの日パパになったのです◎
安産で、元気な男の子が生まれたそうです☆
早速作画フロアでは、恒例の飾りつけが始まりました◎
去年パパになったばかりの山田さんを筆頭に、作画机がどんどん華やかになっていきます。
ジブリは、本当にベビーラッシュですね◎
そしてその2日後、普段は、鮮やかな色使いの服装をする米林さんが、この日は落ち着いたモノトーン姿で出勤してきました!
ご本人曰く「ちょっと、パパ風な格好にしてみました!」とのこと【笑】
淡いグレー色のジャケットを羽織って堂々とした姿は、もう立派なパパそのものでした◎
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「只今飾りつけ中!山田さん、机から落っこちないで下さいね!笑。」
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「作画のトレス台に浮かぶ親父の文字、光っています◎」
 
 
2月12日(火)
現在「ポニョ」の作業ペースは、今までの作品に比べると順調??な方ではありますが、問題のカット(作画内容が大変で枚数の多いカット)がいくつか残っており、まだまだ予断を許さない状況です。
スタッフの皆さんにはもうひとふん張りしてもらわねばなりません!!!!!
そして制作部も、なるべく無理のないスケジュールで最後まで進んでいけるように頑張ります◎
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「今夜も遅くまで仕事をしている渡邊さん、ウシコとシャチが手伝い?いやいや邪魔?をしにやって来ました。でも、ウシコとシャチを見つめる目が優しいですね、渡邊さん!」
 
1スタ3階には、いたるところにチューリップの球根が水栽培で育てられている。PD室のまゆちゃんの趣味らしい。ふと気がつくと、結構、芽が伸びてきていて、春の訪れを予感させていた。立春が過ぎてもなかなか暖かくならない関東地方だが、春の足音だけは確実に近づいてきているようだ。
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「チューリップは何色なんでしょうか」
 
 
2月13日(水)
いよいよ、第一回目のカッティングの時期が迫ってきました。
せめて一回目のカッティングは、全部色付きでいきたかったのですが、この分だと3カットほどが線撮りになってしまいそうです。
それにしても、当初はもっと線撮りの数が多くなるのでは?と予想していただけに、まずまずの滑り出し◎
第二回目のカッティングは3月中旬を予定しているため、制作部はそれに向けて、作業の采配等を考える日々を送っています。
 
この日は、映画の配給をお願いしている東宝の関東宣伝会議(通称キャラバン)が都内のホテルで行なわれるので、観客として参加する「ポニョ」の宣伝担当者たち。プロデューサーの鈴木さんをはじめ、宣伝プロデューサーの伊勢さんや、日テレ担当、博報堂の担当者などがごらんのように勢ぞろいして、作品をアピールする。鈴木さんの話は、いかにいろいろの要素が作品に含まれているのかを面白おかしく話しながら、最後には宮崎監督の言葉を引用してちょっと感激させるという、会場の聴衆が鈴木マジックにかけられた45分間だった。
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「鈴木プロデューサーと仲間たち」
 
 
2月14日(木)
世間では甘いバレンタインの日ですが、制作部では甘さを全く感じない、苦い?いや渋い打ち合わせを動検の舘野さんを含めて朝一から行いました。
その内容は、今後の作業の進め方の話し合いであり、作監のペースを上げるための策を講じる話し合いでもありました。しかしこれにより、何らかのシワ寄せが動画以降に出てくる可能性もあるため、制作部としても苦渋の決断を強いられるものでした。
しかし、舘野さんも現状を理解してくださっており、話し合いは極めてスムーズに行われ、制作の意向に沿ったスケジュールで進めていくことになりました。
現制作状況は、ぱっと見では順調なように見えますが、それが思わぬ落とし穴である危険性もあります。公開日が近づくにつれて、制作の顔色もやはり変わってきています。
それにしても、今日はこれでもかと甘いものを食べられる日であるのに?!【苦笑】
現実の苦さは、そう簡単には甘くなってくれないものですね・・・・・【苦笑】
と、、、、、ぼやいている暇はありません!!!!!!
とにかくもう、恐れずに進めていくしかありません。
スタッフの皆さん、どうぞ最後までよろしくお願い致します!!!!!     制作部一同より
 
夕方、久々に夕陽を見に屋上に行くと、ご覧のように望遠鏡をセッティングする美術の渡辺君の姿が。どうやら、今夜は、久々の「星部」の活動が行なわれるらしい。少し冷えてきた夕方の空気の中、セッティングに余念のない部長であった。
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「星部が久々に活動を行ないました!ただいまセッティング中」
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「今宵は半月でしたが、見事な月に大満足でした◎」
 
 
2月15日(金)
スタスタスタスタ(足音)ピタッ。(立ち止まって)「近藤くーん!」と宮崎監督。
原画・作監・動画のそれぞれの今週と先週の実績と目標が載っている状況表の前で、何やらひそひそ話をしている様子です。
遠くからでは、話の内容は聞こえてこないものの、1日のノルマは4,5カットですかねぇ?!というようなことを話しているみたいです。。。。。
最近は、この表の前で立ち止まって目を通すスタッフが増えてきました。
一人ひとりの追い込みの意識が高まっているようです。
状況表は、ひと目で先週と今週の実績を比べることができ、とてもシンプルでシビアな表です。毎日こまめに制作が更新しているので、リアルタイムで現在の数字を知ることが出来ます。そして、今日も、メインスタッフが足を止めて、現状況を確認しているのです。
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「じっと、表を見つめて・・・・」
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「何やらお話中です。」
 
夜、3スタの1階では、海外事業局のアミーの息子、ぶんちゃんの2歳の誕生日会が開かれていた。ご覧のような手作りケーキや、ダンナが新宿まで出かけて買ってきたケーキなどにローソクを立ててみんなでお祝いする。お祝いに駆けつけた制作業務局の野中局長は、近くのスーパー“グレース”で買ってきた150円のナタデココを、その安さに驚きつつ、「残せない性分なんで...」といいながらひたすら食べ続けていたのが印象的だった。
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「バレンタインということもあって、チョコレートケーキでした」
 
 
2月16日(土)
今日は、ウシコが警備のかかった部屋で大人しく寝ていたのですが、急に起きて動き回ったせいで、センサーにひっかかって警報が鳴り、警備会社の方が駆けつけて下さる事件が起きました【汗】
決してウシコは悪気はなかったのでしょうが・・・
鍵のかかったドア越しに、「出たいよぉ。出たいよぉ。」とミャーミャー泣く姿は、ちょっと可哀想でした。。。
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「ねぇねぇ、知ってた~?!○○さんって、△△なんだってぇ~!!!!とでも、話しているのでしょうか?もしかしたら、ジブリの秘密を誰よりも知っている2人かもしれません(恐)」


2月18日(月)
「ポニョ」のこれまでの数字
レイアウトUP・・・1093cut
原画UP・・・・・・922cut
作監UP・・・・・・860cut
動画UP・・・・・・814cut
背景UP・・・・・・936cut
仕上UP・・・・・・785cut
撮影UP・・・・・・764cut

レイアウトがいよいよカウントダウンが始まり残すところ46カットになりました。未作打ちカットも残3カットと、レイアウトは順調にいけば2月の下旬から3月の頭には全カットUPの予定です。
レイアウト作業が一段落すれば作監の近藤さんは本格的に作監作業に集中できるので、動画・仕上げ・撮影の更なるペースアップが可能になります。しかしレイアウトが遅れれば、全セクションの遅れにつながるので、まずは確実にレイアウトUPを目指していきたいところ!


2月19日(火)
今日から「ポニョ」のR-1・2のカッティングが行なわれる。色のついていないカットは3カットのみで、残りのカットは完成映像での作業になりました。明後日の木曜日に仕上げ作業が残ってはいるものの、第一回目のカッティングは無事に乗り越えられそうです。
問題は約1ヶ月後のR-3・4のカッティング!カット数で約80のカットが未完成の状態です。内容も決して楽では無い内容が多く、今から動画作業に入っても1ヶ月の作業期間では間に合わないカットばかりなのが恐ろしい所・・・。
この1ヶ月で少しでも撮影まで持って行けるよう采配を考えていかなければ...と思う制作部なのである。


2月20日(水)
仕上げ部の面々に動画上がり予定が分かるよう、予定表を張り出し始める。現在、動検以降、1日に回ってきても3~5カット程のカット数しか回ってこない状況が続いています。当然、流れてくるカットが少ないので手空きになってしまう事も多く、1日の各セクションの動きが重要になってきます。
仕上げも動画の上がりがでなければそれだけ手が空いてしまう事になるので、1日に上がってくる動画・動検の物量が仕上げの面々は気になる所であり、不安材料でもあります。そこで、当日と翌日の動画の動きが分かる状況表を作成し、随時、動画の動きが仕上げのスタッフに分かるようにしました。
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「今日、明日の動画上がり予定!やはり上がり予定は少ない・・・」

深夜になると糖分を求め3階に上がってくる人がいる。
その正体は制作の渡辺さん。
・・・と、シャチ。
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今宵は喫煙を誘ってましたが
「これはいらないんですけど」とシャチさん談(なぜかカメラ目線)


2月21日(気)
本日、差し入れでジブリ宛てに長野のファンの方から大量のチョコレートが届く。宮崎さんはスタッフに振舞ってくれ、社内は今週もチョコレートの臭いでいっぱいに・・・。作画スタッフは皆大喜びで、チョコレートを頂きました。
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「段ボールにぎっしりのチョコレート!送って頂いたIさん、ありがとうございました!」


2月22日(金)
毎週恒例のラッシュ上映が行なわれる。今日のラッシュは35カット!ここ最近のラッシュはカット数が伸びない状況が続いていましたが、今週は30カットを越えました。
ラッシュもいよいよDパートがメインになってきました。とあるキャラクターの登場シーンのラッシュでは、仕上げの色と背景とのバランスが非常に綺麗で、思わずスタッフから歓声が溢れるような場面もありました。この場では内容を教える事はできませんが、是非とも劇場にて、色彩や背景にこだわった「ポニョ」の世界を堪能して貰えればと思います。

映像部の駿くんが、なにやらバーでお料理中。スタッフの誕生祝のちらし寿司らしい。とにかく、ご覧のような素晴らしいできで、食べるのが本当にもったいないほど!「ポニョ」の打ち上げパーティでは、さらに腕を存分に揮ってもらいたいものだ。
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「おいしそうなポニョ寿司ですねぇ。貝柱で作った妹もいます」


2月23日(土)
本日、ジブリは定休日なのだが、当然の如くメインスタッフと作画部は出勤日!
今日はなにやら風がやたらと強い!強風から砂が舞い、黒雲におおわれ、外は異様な雰囲気になっていました。スタジオ内も開けっ放しの窓があると、そこから社内は砂まみれに・・・・。慌てて窓を閉めに行くスタッフ達!どうやら、これが春一番らしい。
昼過ぎから1番のピークに達し、激しい風がごおごおと音を立て砂を巻き上げているのを、窓辺から見て歓声を上げて喜んでいる作画部の面々!これから外回りに出かけなくては行けない制作部としては笑えない、とても迷惑な1日でありました。


2月25日(月)
本日、作打ちが行なわれて全1139カットすべての作打ちが終了!その作打ちが終わった後、監督は「とりあえず、一つ終わった」と言いながら少し控えめな拍手をしてまた机に向かい始めていた。こうやって一つ一つ工程が終わっていくのがアニメーション制作。一つのセクションが終わる度にホッとはするものの寂しい気持ちも重なっていきます。


2月26日(火)
先週末、春一番の物凄い風が吹いたと思ったら、今日も、なにやら雲行きが怪しい。どうやら、春二番らしい。怪しい黒雲がもくもくと沸き起こり、風邪も猛烈な勢いで吹き始める。大雪の次は、大風で、今年の二月はなにやら荒れ模様なのである。
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「見るからに怪しい空ですね」

広報部員が、宮崎監督に久々に用があって声をかけると、なにやらニヤニヤしている。
「(美術監督の)吉田くんの洋服が、全身“青”なんだよ。気分が洋服の色に現れてるんだよ。本人は全く意識してないらしい。人に指摘されてやっとそのことに気づいた様子でね。最近、毎日“青い”から、そろそろヤバイね。ヒヒヒヒッ」
「それは、宮崎さんのせいなんじゃないですか?」
こちらのその言葉に、横にいた(作画監督の)高坂さんが「クククッ」と小さく笑っていたのを、私は見逃さなかったのだった。


2月27日(水)
来月初旬に産休に入る広報部の田村さんことタムチンの激励会が行われる。前回、鈴木さんアシスタントの白木さんの時も好評だったので、すっかり社内で恒例化した「たこ焼きパーティー」なのである。
ただ、開く度に中に入れる“具”もだんだん豪華?になってきている。今回はなんと、生ガキと明太子も登場…。一体誰のチョイスなのか。でもみんなでワイワイ焼いて、出来立てをいただくのは非常に楽しいし、とても美味しい。タムチンもパクパクと美味しそうに食べていた


2月28日(木)
本日は倉庫整理の日。倉庫整理プロジェクトメンバーの古城、北川内、品川、渡邊が終日、○○倉庫へ。今回の倉庫整理は、○○倉庫の中で幾つか分散して保管していたものを1箇所にまとめて保管するべく、各収納品に管理番号を付け、その番号のラベルを品物に貼り付けていくという作業です。○○倉庫はここ数年かけて整理整頓をしたので、見た目は片付いているのですが、リスト化してナンバリングするということは、内容も細かくチェックしなければならず、結局、全てのダンボールを再度開封し、内容物を確認しながらの作業になっています。この作業自体も結構根気が必要になるのですが、それ以上に耐えなければならないことがあります。この倉庫は、部屋全体が1年通じて一定の温度管理がされており、夏は涼しく、冬は寒いと感じる温度に設定しています。1時間程度なら気にならないのですが、長時間部屋の中で作業していると足元からすっかり冷えてくるのです。倉庫整理は、この寒さとの戦いでもあるのです。なんとか風邪をひかずに乗り切りたい。

1スタ3階で打ち合わせをしていると、屋上で星野さんの撮影が行なわれていることに気付く。日経アソシエの取材だ。広報部員が思わずカメラを向けると、気さくに手なんか振ってもらう。この親しみやすさが、最上の武器の新社長なのである。
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「社長のフォトセッション。気さくに手を振っています」


2月29日(金)
今年は閏年なので2月が一日多い。制作は追い込みのこの時期、閏年で一日多い事がとても嬉しい。それでも明日からもう3月。気温が上がってきたり、花粉が飛び始めたり、春の訪れをひしひしと感じる様になった。
そんな中、昼食を食べに出た制作陣は「春が来るのを心の底から待ち遠しくない人って日本に何人いるのか?」と寂しすぎる会話をしながら、冬名物の煮込みうどんを注文し気分だけは冬ムードを高めるのであった・・・。

事務方の歓迎会が今月も催される。広報の小見ちゃん、出版の平林さん、PD室の細川さん、社長秘書の栗原さん、そして、星野新社長の歓迎の宴だ。美味しいイタリアンの料理もたっぷりあり、歓談の時間もたっぷりで、充実した交流のひと時を過ごす。最後は、若い社長らしく、鈴木さんの1本ではなく、3本で場を締めていただいて、とても楽しいパーティはお開きとなったのでした。その後は、おのおの、三々五々と夜の吉祥寺に消えていったとか。こうして、2月も終わります。
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「社長にみずから締めていただきました」