「野中くん発 ジブリだより」2024年5月号

 三鷹の森ジブリ美術館で開催中の企画展示「君たちはどう生きるか」展ですが、第一部イメージボード編は5月12日(日)で終了。展示替えの休館を経て、5月25日(土)から、第二部レイアウト編が始まります。

 レイアウトとは、あるカットの構図を示しつつ、背景の概要、その上に載るキャラクターの位置や動きの指示、カメラワークなどが描き込まれた絵です。絵コンテが映画全体の設計図であるとするなら、レイアウトは1カットごとの設計図と言えましょう。「君たちはどう生きるか」ではそのカットの原画担当者が描き、宮﨑駿監督と本田雄作画監督が確認・修正を行っています。レイアウトは制作工程における素材の1つではありますが、そのカットを描くために必要な情報、そのカットはどういうカットにするのかというイメージが描き込まれていて、大変見応えがあります。かつて、レイアウトだけを集めて展示した「スタジオジブリ・レイアウト展」という展覧会が開催され、好評を博し各地を巡回したことがありましたが、手描きのレイアウト画にはそれほどの魅力があります。

 今回の第二部では、「君たちはどう生きるか」のレイアウトを200点以上展示し、その絵に込められた力と思いを感じてもらえる展示を目指しています。映画のシーンを思い出しながら各レイアウトをじっくり見る、という楽しみ方も出来るのではないでしょうか。第二部レイアウト編は11月10日(日)までの予定で、その後は第三部背景美術編を開催予定です。ジブリ美術館は日時指定の予約制。どうぞお楽しみに。

 さて、映画「君たちはどう生きるか」の国内上映は、この原稿が世に出る頃にはかなり落ち着いてきているはずですが、4月3日(水)から上映が始まった中国でも、お陰様で大ヒットとなり、沢山の方々が観て下さっていることが日本にもニュースとなって届きました。有難いことです。なお、中国では4月30日(火)から「ハウルの動く城」の大規模公開も始まっているはずですが、果たしてどうなっているでしょうか。

 最後になりましたが、現在、「金曜ロードショーとジブリ展」が京都市京セラ美術館で、「鈴木敏夫とジブリ展」が横須賀美術館で、そして「ジブリパークとジブリ展」が新潟県立近代美術館で開催中です。こちらもどうぞよろしく。予約制の展覧会もありますので、各ホームページをご覧下さい。