「野中くん発 ジブリだより」2023年7月号

 7月14日(金)、スタジオジブリの最新作「君たちはどう生きるか」が遂に公開されます。宮﨑駿監督12本目の劇場用長編映画であり、前作「風立ちぬ」以来10年ぶりとなります。

 何度か書いてきましたが改めて書くと、本作のタイトルは、吉野源三郎が1937年に発表した児童向け小説の題名と同じです。宮﨑駿監督は子供の頃にこの本を読んで大変感銘を受け、それで今回、自作のタイトルに借用させてもらいました。しかし、映画の中身は吉野の小説とは全く別で、宮﨑監督の完全なオリジナルです。

 本作の企画書が書かれたのは2016年夏。三鷹の森ジブリ美術館用の新作短編アニメーション「毛虫のボロ」(原作・脚本・監督:宮﨑駿)の制作中でした。その後、宮﨑監督は「君たちはどう生きるか」の絵コンテ執筆を「ボロ」制作と並行して開始、「ボロ」の作業の目処がついた後は「君たち」の絵コンテに集中してゆきます。2017年5月19日(金)、スタジオジブリはホームページに告知を出し、宮﨑駿監督の新作長編制作に向けての新人スタッフ募集を発表。この告知により、宮﨑監督が新作映画の制作を再開することを、世間に対し公式に表明することになりました。そして7月3日(月)にはメインスタッフに向けて宮﨑監督が自ら「君たち」の作品説明を社内で行い、制作部門の新たなスタートということで〝開所式〞を実施。翌8月には作画インとなり、制作は本格的にスタートしました。同年10月に、宮﨑監督は公開対談の中でタイトルを披露。瞬く間に世間に広まりましたが、それ以後、ジブリから特に発信は行わず、スタジオではひたすら本作を制作し続けてきました。この間、新型コロナウイルス感染拡大という予想外の事態が起きたりもしましたが、幸いさしたる影響もなく、ともかく作り続ける毎日でした。そして作画インから数えて足掛け7年、遂に公開日を迎えることとなったわけです。

 まっさらな状態で映画を観て欲しいという思いから、今回、宣伝をほぼせず、情報もほとんど出さないできました。皆様、「君たちはどう生きるか」を、ぜひ劇場でご覧下さい。

 さて、金曜ロードショーでは本作の公開を記念して、3週連続でジブリ作品を放映中です。2週目の7月14日(金)は「コクリコ坂から」、そして最終週の21日(金)は「もののけ姫」。こちらもどうぞ宜しく。