「野中くん発 ジブリだより」2月号

 既報の通り、スタジオジブリ最新作「レッドタートル ある島の物語」が米アカデミー賞長編アニメーション映画部門にノミネートされました。

 本作はオランダ出身のマイケル・デュドク・ドゥ・ヴィット監督初の長編映画で、昨年カンヌ国際映画祭で「ある視点」部門特別賞を受賞。9月に日本でも公開され大変高い評価を得ました。マイケル監督は「父と娘」(原題:Father and Daughter、旧邦題「岸辺のふたり」・2000年)でアカデミー賞短編アニメーション映画賞を受賞しており、「お坊さんと魚」(1994年)も同賞にノミネートされています。「父と娘」で〝人生〞を描いたマイケル監督ですが、「レッドタートル」は〝自然と人間〞というテーマも重ねながら、シンプルで大変美しい映像でさらに深く〝人生〞を描いて大きな感動を与えてくれました。授賞式は2月26日(日)夜(日本時間27日午前)。受賞を期待したいです。なお、今号から1年間『熱風』の表紙をマイケル監督が描いてくれることになりました。お楽しみに。

 そして、本作のブルーレイディスクとDVDが3月17日(金)にウォルト・ディズニー・ジャパンから発売されます。ブルーレイはマイケル監督の短編映画5本(前記短編2本+「アロマ・オブ・ティー」「掃除屋トム」「インタビュー」)もすべて収録し、監督自身が監修したデジタルリマスター版での初ブルーレイ化です。また映像特典として「ロンギング〜メイキング・オブ・レッドタートル」(約57分)、「高畑勲がマイケル監督と語る、アニメーションの源泉と文化 『レッドタートル ある島の物語』はどこから来たのか?」(約47分)、予告編集も収録されており、特に「ロンギング」は映画の制作過程と共に、マイケル監督の人となりも丁寧に捉えられていて必見でしょう。2枚組で税抜希望小売価格1万円。DVDは本編は「レッドタートル」のみですが前記特典はすべて収録、2枚組で税抜希望小売価格4700円です。レンタルもセル発売日と同日に開始。ぜひ皆様ご覧下さい。

 ところで、1月14日(土)に三鷹の森ジブリ美術館が1千万人目のお客様をお迎えすることが出来ました。開館16年目となるジブリ美術館ですが、本当に有難いことに未だにチケット完売が続いています。中島清文館長が14日のセレモニーで「感謝しかないです」と話しましたが、本当にそう思います。これからもどうかジブリ美術館を宜しくお願い申し上げます。