「野中くん発 ジブリだより」10月号

 10月になりました。この間、スタジオジブリではずっと新作を作り続けてきましたが、発表はもう少し先ですので、すみませんがいま少しお待ち下さい。他に最近あったことと言えば、9月28日(金)の防災訓練くらいですが、とはいえ、実はこの原稿を書いているのはまだ9月半ば。暦の上ではすでに秋ですが、30度を超す厳しい残暑が続き、なかなか秋を実感しづらい日々です。でも、先日たまたま、宮崎駿監督のアトリエに大量の薪が運び込まれるところに居合わせ(とても趣のある薪ストーブがアトリエの暖房装置なのです)、ああ、もう冬の準備が始まっているのだなあ、そういえば毎秋恒例の社員旅行の日程も社内で発表されたなあ、と、季節の変化を少し感じました。

 一方、三鷹の森ジブリ美術館ですが、10月1日(水)で開館から丸11年が経過、12年目に入りました。中島清文館長に様子を聞いたところ、「おかげさまで連日満員状態です。多くの方々に支持されていることをうれしく思っています。8月には子ども連れのご家族が全国から訪れてくれました。館内に子どもたちの声が響き渡り、賑やかな夏でした。9月になると一転して大学生を中心に若い人たちであふれています。彼ら彼女らは思い思いに好きなポイントを見つけて楽しんでくれているようです。季節によって、緑の色合い、差し込む光が変化して、雰囲気の変わるジブリ美術館ですが、お客さまの変化を見ていても季節感を感じますね」と近況報告をしてくれました。通常、ジブリの新作公開がない年は入館者数が若干減るのですが、今年はそういうこともなく、沢山のお客さんにお越しいただいており、本当に有難いことです。現在は企画展示「挿絵が僕らにくれたもの」展│通俗文化の源流│を展示中。また、隣の井之頭恩賜公園では全国都市緑化フェアTOKYOが10月28日(日)まで開催中。秋と言えば、月並みですが文化の秋、行楽の秋。宜しければ秋のジブリ美術館を訪ねてみてはいかがでしょう。

 最後に新商品のお知らせを。「となりのトトロ」「魔女の宅急便」「紅の豚」の絵入り年賀状が発売されます。注文を受け住所氏名を入れて印刷する方式で(写真使用タイプもあり)、ローソンやどんぐり共和国、一部量販店で予約受付中。発売はマイプリント社。「トトロ」「魔女」については、絵柄を印刷したお年玉付き年賀はがき3枚セットも11月に同店舗で発売予定で、こちらはジブリ美術館でも扱います。どうぞよろしく。