「野中くん発 ジブリだより」2018年6月号

 5月15日(火)、「高畑勲 お別れの会」が開催されました。場所は三鷹の森ジブリ美術館。中央ホールの真ん中の階段踊り場とその下に、高畑監督の笑顔の写真を草花で囲んで祭壇を設け、会場としました。この日は快晴。約3200人の方にお越しいただき、高畑監督を偲びました。

 会は2部構成で行われました。まず、11時からは関係者による式典。お別れの会委員長の宮崎駿監督が開会にあたり追悼の文章を読み上げ、全員で黙祷の後、4人の方からお別れの言葉を頂戴しました。東映動画の先輩だったアニメーターの大塚康生さん、同期入社で同じくアニメーターの小田部羊一さん、作曲家の久石譲さん、「レッドタートル ある島の物語」監督のマイケル・デュドク・ドゥ・ヴィットさん。その後は二階堂和美さんに「かぐや姫の物語」の主題歌「いのちの記憶」をお別れの歌として歌っていただきました。喪主で高畑監督のご長男の高畑耕介さんが親族を代表してご挨拶をされ、最後は鈴木敏夫プロデューサーがご挨拶。献花に移り、宮崎、鈴木、耕介さん、そして奥様の高畑かよ子さんが献花した後、会場内の参列者が順番に献花。さらに、美術館に隣接する広場に設置された別会場のテント内で参列していただいた方々に館内に順次移動していただき、献花は続きます。式典・関係者の献花がすべて終了した後、14時からは一般の方々の献花に。広場内の待合所から館内に移動していただき、順番に祭壇前で献花。17時まで受け付けて、約2000人の方々に高畑監督を偲び、お別れをしていただきました。
 
 会場内には他に、高畑監督の写真を沢山貼り付けたパネルや、ゆかりの品々、著書などの展示や、その生涯を綴った約10分の特別映像の上映もあり、多くの方々が見入っておられました。
 
 沢山の方々にご参列いただきましたこと、改めまして御礼申し上げます。有難うございました。式典でのお別れの言葉、挨拶、歌、いずれも本当に心がこもった胸を打つ内容でした。また、平日にもかかわらず多くのファンの方々にもご参列いただき、高畑さんと、その作品がとても愛されていることを改めて感じました。皆様のおかげで、温かく、優しく、清々しいお別れの会になったと思います。私自身、未だに悲しい気持ちはありますが、1つ区切りがついた気がします。
 
 最後に改めまして、高畑さん、有難うございました。