「野中くん発 ジブリだより」2018年4月号

 3月21日(水)から、三鷹の森ジブリ美術館のオリジナル短編アニメーション最新作「毛虫のボロ」の公開が、映像展示室・土星座で始まりました。 公開に先立ち、3月14・15日(水・木)の夜、閉館後のジブリ美術館でマスコミ向けの試写会を実施しましたが、宮崎駿監督の久しぶりの新作ということで注目度が高かったせいか、メディアでの採り上げられ方もこれまでの美術館短編より随分目立っていたように思います。話題の1つに、ラストで流れる久石譲さんの音楽を除き、音声をタモリさんが1人で担当していることがあります。セリフはありませんが、独特の発声で効果音とイメージ上の音をすべて表現しており、この映画の特徴の1つとなっています。試写会で発表された宮崎駿監督のコメントを以下、再録します。

 「ごあいさつ
  生まれたばかりのちっぽけな毛虫に世界はどう見えているのでしょう。
  小学生のとき、植物の光合成について教えられて、光合成はどう見えるのかズーッと気になっていました。
  毛虫には空気の粒は見えるのかなぁとか、葉っぱをかじった時はゼリーのような味がするのかなぁとか、
  狩人蜂は今の戦場でとびまわっている無人攻撃機みたいなものかなぁとか...。
  それでこんな映画ができてしまいました。
  さいごまでつきあってくれたスタッフと、ノボロギクを教えてくれた家内と、音をあててくれたタモリさんに感謝します。
  タモリさんなくしては、この映画は完成しませんでした。
  ありがとう
                                                        宮崎駿」
 
 ジブリ美術館のギャラリーでは「ボロ」のイメージ ボード等も展示中。作品世界に入っていくような飾りつけもされていて、楽しめます。ジブリ美術館は予約制。詳しくはホームページをご覧下さい。なお、昨夏以降の選考を経てジブリ美術館に採用が決まった新人10名が、4月2日(月)より研修を開始。その後は各部署に配属されて、実地でさらに学んでいきます。

 さて、展示と言えば、各地を巡回し好評の「ジブリの大博覧会」が、兵庫県立美術館で4月7日(土)より開催中です。会期は7月1日(日)まで。こちらもどうぞ宜しく。