「野中くん発 ジブリだより」3月号

 この原稿がギリギリ修正可能な最終日は米アカデミー賞授賞式当日。結果は残念でしたが、その少し前、2月4日(日本時間5日)にはアニメーション界のアカデミー賞と言われるアニー賞の発表があり、スタジオジブリ最新作「レッドタートル ある島の物語」はお陰様でインディペンデント長編アニメーション映画賞を受賞しました。マイケル・デュドク・ドゥ・ヴィット監督は授賞式に出席していたので自らトロフィーを受け取り、アーティスティック・プロデューサーの高畑勲さん、鈴木敏夫プロデューサーをはじめこの映画のスタッフ、関係者に対し壇上で感謝の言葉を述べました。アカデミー賞の結果は前述の通りですが、ノミネートだけでも大きな意味のある賞であり、作品が認められたことの証でしょう。ともあれ、3月17日(金)にいよいよ「レッドタートル」のブルーレイディスクとDVDがウォルト・ディズニー・ジャパンから発売されます。ブルーレイはアカデミー賞短編アニメーション映画賞受賞の「父と娘」(旧題「岸辺のふたり」)を含むマイケル監督の短編映画5本もすべて収録。大変見応えのあるメイキング・ドキュメンタリーや、高畑さんとマイケル監督のセミナー等、特典も充実して
います。詳しくは本作の公式サイト(https://www.ghibli.jp/red-turtle/)をご覧下さい。 なお、お気づきと思いますが先月から本誌の表紙をマイケル監督が描いています。

 さて、スタジオジブリでは三鷹の森ジブリ美術館のオリジナル短編アニメーション第10作「毛虫のボロ」の制作がいよいよ終盤を迎えています。宮崎駿監督最新作となる本作はCGを大幅に採り入れており、作り方がかなり変わりました。そのため完成期日についてはなかなか言えなかったのですが、2月中旬の段階で映像については残すところ数カットまで来ました。音響等、ポストプロダクションの作業はこれからですが、ともかく終わりが見えてきたのは確かです。完成まであともう少しお待ち下さい。

 最後になりましたが、鈴木プロデューサーが描き下ろし、伊藤園のキャンペーンに使われているオリジナルキャラクター「となりのおにぎり君」が好評なので、LINEスタンプが3月16日に発売されることになりました。こちらもどうぞ宜しく。伊藤園による公式サイト(https://www.itoen.co.jp/tonarinoonigirikun/)では、近藤勝也くんの描いた大変面白い動画を楽しむことも出来ます。どうぞご覧下さい。