「野中くん発 ジブリだより」 12月号

 現在、三鷹の森ジブリ美術館のギャラリーでは"トライホークスの本棚より「長くつ下のピッピ」展"を開催中です。『長くつ下のピッピ』といえば、スウェーデンの著名な児童文学作家アストリッド・リンドグレーンの代表作。今から40年以上前に高畑勲、小田部羊一、宮崎駿の三氏がアニメーション化を企画した作品でもあります。この時は結局映像化は実現しませんでしたが、残されたイメージボードや企画書を収録した書籍『幻の「長くつ下のピッピ」』が、先頃岩波書店から刊行されました。また、リンドグレーン原作の宮崎吾朗監督初のテレビシリーズ「山賊の娘ローニャ」(制作・著作:NHK、ドワンゴ)も、10月からNHKBSプレミアムで放映中です。そこで、ジブリ美術館の図書閲覧室・トライホークスでは、この機会にリンドグレーンの本をもっと知ってもらおうとこの展示を企画しました。作者リンドグレーンと『長くつ下のピッピ』を中心にその他の作品や「山賊の娘ローニャ」の紹介と、宮崎駿監督が当時描いた「ピッピ」のイメージボードの展示など、見応えのある内容になっています。今のところ2月までの開催予定ですので、ぜひどうぞ。また、ジブリ美術館では宮崎駿監督の力作企画展示「クルミわり人形とネズミの王さま展」を開催中ですが、これに加え、宮崎監督はこの秋新たに2つの展示物「雲の道」と「ソレイユ」を制作。展示が開始されました。なお、現在、ジブリ美術館では恒例のクリスマス装飾を実施中。この時期だけ味わえる独特の雰囲気を、どうぞお楽しみ下さい。

 さて、展示と言えば、江戸東京たてもの園で開催中の「ジブリの立体建造物展」ですが、好評につき来年3月15 日(日)まで会期延長となりました。高さ約3メートルの「油屋」の立体模型が特に話題ですが、背景画や美術ボード、美術設定などが大量に展示されており、先頃来日したディズニー/ピクサーのジョン・ラセターさんもこの展覧会を見て大変気に入って下さいました。また、「館長 庵野秀明 特撮博物館 ミニチュアで見る昭和平成の技」の名古屋展が、名古屋市科学館で好評開催中です。会期は来年1月12日(月・祝)まで。いずれの展覧会も、どうぞよろしく。

 最後になりましたが、スタジオジブリは「宮崎駿監督作品集」のボックスセットを購入された方を対象に、「On Your Mark」特別ディスクの配付を開始しました。詳しくはジブリのホームページをご覧下さい。