「野中くん発 ジブリだより」 12月号

 高畑勲監督の最新作「かぐや姫の物語」が遂に11月23日(祝)公開されました。初号を終え完成したのが10月30日(水)。11月7日(木)には完成報告会見が開かれました。この日は朝倉あき、高良健吾、宮本信子、田畑智子、宇崎竜童、上川隆也、朝丘雪路、坂口理子(協同脚本)、二階堂和美(主題歌)の各氏、日本テレビの大久保好男社長、そして高畑監督が登壇し、華やかな雰囲気の中、それぞれにご挨拶。高畑監督はスタッフに感謝した後、"図々しく言うと、日本のアニメーションにとって一歩進めたことのような気がします、あまり言ったことがありませんが、出来上がった作品を観て大変満足を覚えました、本当に嬉しかったです"と話しました。主題歌の二階堂和美さんは"この映画はハッピーエンドではないので、終わった時に、映画をご覧になった方々の気持ちを慰めるような曲が欲しい、というリクエストが監督からあり、おこがましいですが、任せて、と思いました、曲が出来て、よし、と思いました"と明るく語って下さいました。かぐや姫を演じた朝倉あきさんは"すごく高貴で手の届かない、この世にいないかのような美女というのはどうやったらいいんだろうと最初は緊張したり悩んだりもしましたが、監督からいただいた台本を見て、のびのびと自分の人生を楽しむ、すごく素直な一人の女の子に出会い、心のままに演じてみようと思いました"と話されました。他の方々も皆さん素敵な挨拶をして下さいましたが、この作品に参加されたことをどなたもとても喜ばれていたことが印象的でした。手前味噌ながら、恐らくそれはこの作品の出来がそれだけ良かったからではないか、と思います。スタッフによる打ち上げのときも、明るい達成感のようなものがいつも以上に会場では感じられました(苦労の大きさも反映していたでしょうが)。実際、映画はとても好評で有難いことです。よく知っているはずのかぐや姫の物語が、心を持った生身の人間の生として描かれ、とても感動的です。私は、この地上に生きることのかけがえのなさを、最後は地球的なスケールで感じました。しかもちゃんと娯楽作になっています。お正月もまだまだ上映中ですので、まだの方はどうかご覧下さい。

 最後に恒例の社員旅行のことを少し書きますと、公開直前でしたが、11月5~7日に行ってきました。今回は福島。宿泊は芦ノ牧温泉で、主に会津方面を皆、楽しんできました。リフレッシュ出来て良かったです。