「野中くん発 ジブリだより」10月号

「ジブリ日誌」が終了しましたので、これから毎月「野中くん発 ジブリだより」をお届けします。スタジオジブリのことが、ちょっぴりわかる月報です。


「野中くん発 ジブリだより」

「コクリコ坂から」はお陰様でロングラン中。改めまして御礼申し上げます。そして日本に続いて海外でも公開が始まりました。

 まず、9月29日(木)には韓国で封切られました。今回も、長年ジブリ作品を扱ってきた大元メディアがライセンシー。宣伝では「初めての愛についての物語」という意味のコピーを打ち出して、初恋のお話であることと、ジブリ作品としては初めての、愛についての物語であることをダブルミーニングでアピールし、年齢層も考慮して、吹替なしの100%字幕版で上映しています。韓国以外でも、いつも通り台湾、香港、フランスで秋から来年にかけて順次公開されることが決定しており、それ以外の国でもこれまでと同様に公開が続いていきます。今回の作品はファンタジーの要素がなく、また、1963年の横浜と、舞台がはっきり特定されているのが従来のジブリ作品とは違う点です。そのため、作品内容は日本のある年代特有の要素が多く、海外での反応は正直想像がつきにくいものでした。しかし、アジアや欧米の各ライセンシー向けに7月以降試写をしたところ、反応は良好でした。9月8日(木)にはトロント国際映画祭で海外初のプレミア上映を実施。上映前に宮崎吾朗監督が登壇して舞台挨拶をし、上映後はQ&Aを行いましたが、ここでも大変好評で、満員の観客が熱い反応を見せてくれました。映画の内容をこちらの想像以上にきちんと受け止めてくれており、でも一方で日本とは全く違うリアクションもあったりして(「まるで安っぽいメロドラマだ」で笑いが起きる、等)、文化の違いも改めて感じられたひと時だったようです。

 このように、内外でまだまだ続く「コクリコ坂から」、どうか宜しくお願い申し上げます。

 ところで、悲しいお知らせをしなければなりません。三鷹の森ジブリ美術館の事務局長だった山﨑文雄さんが9月13日(火)に亡くなりました。55歳でした。もともとローソンに勤めていた山﨑さんは、「千尋」以降のタイアッププロモーションを情熱一杯に推進。ジブリ美術館のチケットシステム稼働も山﨑さんのおかげでした。3年前に美術館の事務局長になってからは、その人柄が誰からも慕われ、名物事務局長となっていました。ローソンの美術館CMに出ていた山﨑さんをご記憶の方も多いでしょう。本当に残念です。次号の『熱風』は山﨑さんの追悼号を予定しています。

(初出:スタジオジブリ月刊誌『熱風』10月号