2001年7月の出版部だより 

■2001.7.30   出版部より
7月28日の朝日新聞・朝刊にジブリ関連書の広告が掲出された。ジブリ関連書だけの広告は、これが初めて。本のカバーの絵が細かく入って、なかなか見て読んで楽しいと思うのだが、どうだろう。
これを作成してくれた現場の担当者は、徳間書店の宣伝部の斎藤さんという女性。以前、編集の仕事をしていただけあって、本好き。新刊ができると、それぞれの本をちゃんと読んでくれる。たとえば庵野秀明さんの「フタリシバイ」については、「装丁シブイ! ですね。最初はとっつきにくい本かなと思ったけれど、対談者のひとり、ケラさんの訂正文字を赤でそのまま残してあったりして、対談ごとの工夫が感じられていいんじゃないかしら」などと、批評してくれる。
そういうわけで、この広告の本ごとの紹介文も全部書いてくれた。本1冊の広告ならまだしも、60冊にもわたる本を宣伝する場合、本の中味を理解してくれているこうした人がいないと、なかなか目配りのきいた広告はできないと思う。 本は、編集だけでつくっているわけではないと、当たり前のことだが、あらためて思う全5段広告でした。
■2001.7.23   出版部より
東京都写真美術館で行われていた「宮崎駿 漫画映画の系譜」のイベントが「千と千尋の神隠し」の公開と入れ代わる形で、7月20日に終了した。この会場では、ジブリ関連書もほぼ、全部揃って売られていた。小さな本屋さんが美術館の中にできていたというわけだ。最終日の20日夜8時ころ、残数などの確認の最中に20代のカップルが、「あ、もうおしまいですか。遅かったか」とやってきてくれた。 残念ながら、もうレジをしめており、お売りすることはできなかったが、まだ置いてある本を見てもらった。『スタジオジブリ関連資料集』を手に、「こんな本もあったのか。かなり濃いね」とか話している。大判の宮崎監督が描いた「もののけ姫」の絵本も、熱心に見てくれていた。イベントスタッフが「これらの本は本屋さんに行けば、まだある。注文してくれれば、まだ手にはいる」などアドバイスし、その方の住まい近くの大型書店を紹介したりしたが、そのやりとりを見て「本屋さんのおもしろさ」を感じた。
どういうことかというと、10月1日オープン予定の三鷹の森ジブリ美術館のショップでは、今回同様、ジブリ関連書は全部揃える予定だ。そうなれば、いま現在本屋さんにないこれまでの出版物も、欲しいと思ってくれる人の目にいつでもふれることができる。本の中味にも詳しい店員がいていろいろ紹介しつつ、お売りすることもできる。それこそ、本にとっては幸せな出会いが可能なのだ。本という商品をどう売っていくかのおもしろさが、ジブリ美術館のショップにはある気がしたのだ。
ちなみにこの会場での売れ行き冊数ベスト1は「シュナの旅」。復刻したジブリ・ロマンアルバム「未来少年コナン」「天空の城ラピュタ」、雑誌「 GHIBLI」がそのあとに続いた。どれも、新刊ではない。けど、欲しいと思ってくれる方のいるところに、実物があれば、読んでもらえる。うれしい!
■2001.7.17   お知らせ
月18日発売の「庵野秀明のフタリシバイ〜孤掌鳴難〜」の刊行を記念して、庵野秀明氏のサイン会が行われます。
詳細は下記の通りです。多くの方のご参加をお待ちしております。

[庵野秀明サイン会のお知らせ]  *このサイン会は終了しました。
日時◇9月2日(日)  15:00〜16:30
会場◇青山ブックセンター本店
(東京都渋谷区神宮前5-53-67 コスモ青山ガーデンフロアB2F)
お問い合わせ◇TEL03-5485-5511(青山ブックセンター本店  営業時間10:00〜22:00)
※発売日より、「庵野秀明のフタリシバイ〜孤掌鳴難〜」を青山ブックセンター本店にてお買いあげいただいた方、先着170名様に整理券を配布致します。サインの対象は「庵野秀明のフタリシバイ〜孤掌鳴難〜」に限らせていただきます。
■2001.7.16   お知らせ
大塚康生さんが鈴木一のペンネームで1981年に演出を担当し、花王名人劇場で放映されたTVアニメ作品に「東海道四谷怪談」がある。実は先日、このDVDが日本コロムビアから発売された。怪談噺では第一人者の講談師・一龍斎貞水の高座にアニメを絡ませた作品で、「『鈴木一』は誰なんだ?」と当時いろいろ憶測が飛び交ったこともあり、6月26日の読売新聞夕刊のDVD紹介コーナーには「“レア物”“珍品”の太鼓判が押せる」という記事も紹介されていた。
さて、このDVDの発売を記念して東京芸術劇場で復活祭が開催されるとのこと。大塚さんも、作画監督の丹内司さんや作画を担当した友永和秀さんらとともにスペシャルトークや「作画汗まみれ(増補改訂版)」限定サイン会に出演する。また、一龍斎貞水さんや貞水門下の一龍斎春水さん(声優・麻上洋子の名で「宇宙戦艦ヤマト」のヒロイン森雪を担当)、一龍斎貞友さん(「ちびまる子ちゃん」のお母さんの声)の特別出演も予定しているらしい。盛りだくさんなこのイベントの詳細は下記のとおり。

[大塚康生さん関連イベントのお知らせ〜  *このイベントは終了しました。
                「東海道四谷怪談」DVD発売記念復活祭]
日時◇8月15日(水)  開場17時/開演18時
場所◇東京芸術劇場/中ホール(東京都豊島区西池袋1-8-1)
チケット料金◇3,500円(全席指定席)/チケットぴあにて販売中
お問い合わせ◇(株)テレビランド(担当・松戸/榎本)
TEL:03-3235-5700
FAX:03-3235-5330
Eメール:matsudo@tvland.co.jp
■2001.7.9   出版部より
7月18日に発売になる庵野監督の対談集「庵野秀明のフタリシバイ〜孤掌鳴難(コショウナリガタシ)〜」には多くの演劇関係の方たちに登場していただいている。なかでもKERAさん、松尾スズキさん、Dr.エクアドルさんの公演がタイミングよく7月に行われるということもあり、早速、いくつかの公演会場でこの本のチラシをまこうということになった。
多くの場合、チラシは、それを持ち込んだ各劇団のメンバーたちが、1枚ずつはさんで、流れ作業で回していき、1セットを作っていく。人海戦術による完全な手作業である。先日、同じ日に2つの公演の折り込み作業があった。猛暑の都内を2カ所わたり歩いて、合計約6時間、床にぺったりと座るという姿勢で、約8000枚を折り込んできた。黙々と折り込む私たちの横では、衣装や大道具の人たちも、同じように座ってチクチク、トンカンとそれぞれの作業にいそしんでいた。閉められた扉の向こうのステージではリハーサルをやっている様子だった。終わると腕、肩、腰がバキバキに張って、翌日なぜか太股が筋肉痛になったりしたが、学生時代の文化祭の前日の気分が味わえた。劇場やコンサート会場で配られるチラシの束は、だてに分厚くなっているわけじゃないということも分かった。チラシを一人でも多くの人が持ってかえって、この本を知ってくれることを願う。


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