「野中くん発 ジブリだより」2022年2月号

 スタジオジブリが発行するこの小冊子『熱風』ですが、皆様お気づきでしょうか、とうとう20年目に突入しております。奥付や裏表紙の左端に、今号は「第20巻 第2号 通巻230号」と書いてあると思いますが、『熱風』は2003年1月号が創刊号なので、先月号でちょうど20年目が始まったわけで、この「第20巻」というのが、20年目であることを表しているはずです。その間、1号も休むことなく『熱風』は発行されてきており、出版社ではない中小企業が、こういう小冊子を月刊でこれだけ発行し続けているというのはあまり例のないことではないでしょうか。例がないと言えば、アニメーション制作会社の中に出版部があるということ自体、やはりあまり例のないことのように思いますが、出版部のスタッフはこの間、メンバーは入れ替わりつつも、単行本の編集作業と並行して、毎月毎月テーマを決めて、ひたすら『熱風』の編集も続けて来たわけで、もはやある種の財産となっている感があります。この「野中くん発 ジブリだより」も、実は第2号の2003年2月号から連載が始まっているので、今号で20年目を迎えることとなりました。個人的にはあまり実感がなく、ともかく毎号題材に苦しみながら、書いてきたらいつの間にかここまで続いていたという感じです。

 と、ここまで書いてふと思い出したのですが、この「ジブリだより」、『熱風』の掲載だけでなく、もう一箇所、スタジオジブリのホームページの「最新情報」のコーナーにも、同じ文章が毎月掲載されています。2011年夏までは、原則毎日更新の「ジブリ日誌」がジブリのホームページに掲載されていたのですが、「コクリコ坂から」公開後にこの連載が終了したので、その代わりにということで、2011年10月号の分から「ジブリだより」の掲載は始まっています。今、該当ページを見返してみたら、最初の掲載分ではちゃんと『熱風』のこと、そこの連載をそのまま転載することが書いてありますが、以後の掲載では全くそれについて書かれていないので、ホームページだけ読んでいる人にとっては、なぜ毎月10日に20日以上前の状況に基づいた文章が載っているのか、不思議に思うでしょうね、きっと。そういう方はぜひ、紙媒体の小冊子『熱風』を一度手に取ってみて下さい。ホームページ内の出版部のページに入手方法等が載っています。

 というわけで、皆様20年目もどうぞよろしく。