「野中くん発 ジブリだより」2019年9月号

 この原稿は8月の夏休み明けに書いているのですが、今年の夏も異常な暑さですね。梅雨明けが去年と逆に随分遅かったですが、明けた後は酷暑の日々。去年も同じことを書きましたが、それでもやはり書いてしまいます、この号が出る9月中旬にはいくらかでも涼しくなっていて欲しい、と。ちなみにこれも以前書きましたが、スタジオジブリの夏休みの設定は法則があって、8月15日を含む一週間となります。ですから今年は前後の土日を入れると8月10日(土)から18日(日)まででした。新作映画公開の年は制作部門はもっと長くなりますが、今年はそうではないので全社この設定でした。もっとも、一部で出る人はいたようで、宮崎駿監督の「君たちはどう生きるか」や、宮崎吾朗監督の新作の制作作業を進めていました。あと、スタッフが少ないときこそ、ということで、普段出来ないコンピューターのメンテナンスや、スタジオの建物の補修工事などもこの時期に行われたので、その担当者も出社。役目とはいえ他の人が休んでいるときにずっと出勤というのはなかなか大変ですが、今年は第1スタジオ玄関の庇(ひさし)が傷んで来たのでその工事などが行われました。吉祥寺から小金井市梶野町にスタジオジブリが移ってきたのが1992年8月。丸27年経っているわけで、やはり色々と補修するべきところは出てきます。玄関の庇は重みのせいか、傾きが出ていたので約7.5センチ引き上げたそうで、居合わせた宮崎駿監督も工事をしばし見守っていたそうです。ともあれ夏休みは明けて再びスタジオは通常通り営業再開。2本の新作制作を続けています。
 
 一方、三鷹の森ジブリ美術館は当然ながら夏の間もいつも通り開館してお客様をお迎えしていました。有難いことにもうずっとチケットは完売が続いていて、夏休みだからいつもよりさらに混雑する、ということはないわけですが、やはりこの暑さなので運営には色々気を遣っていました。なお、企画展示「映画を塗る仕事」展は11月3日(日)までの開催予定です。未見の方はぜひどうぞ(ジブリ美術館は予約制です)。
 
 最後に展覧会について今一度おさらいを。10月6日(日)まで東京国立近代美術館で「高畑勲展」が、9月23日(月・祝)まで長崎のハウステンボスで「鈴木敏夫とジブリ展」が、そして9月16日(月・祝)まで三重県総合博物館で「近藤喜文展」が、それぞれ開催中です。どうぞ宜しく。