2004年5月

5月1日(土)
 今日からロール1~4のPre‐Mix。アフレコの済んだ絵に今度は、音を入れていきます。「やっと」と言うか「遂に」と言うか「まだ」と言うか何かそんな不思議な感じです。

 暦上は、明日から4連休。しかし、劇場作品が動いているジブリでは、毎度の事ながら、休み無しです。ここに来ての1日は、本当に大切になります。


5月3日(月)
 黄金週間真っ只中。しかし、ジブリは、本日も通常勤務。完成まで、もう気が抜けません。しかし、回収に行くも、道は渋滞、ふっと我に返ると・・・。


5月4日(火)
 今日も、スタッフは、通常出勤。話は変わるが、今日は、えらく風が強かった。黄金週間に入る前に、「雨でも降ればいいのに。」と制作陣で話していたが、まさかこんな事になるとは。休みのみなさん申し訳ありません。


5月5日(水)
 今日は5月5日の「子供の日」。休日出勤のスタッフに「柏餅」の差し入れをしました。家には、お子さんもいる家庭もあるのにご苦労様です。しかし、この調子で行くと、毎年「子供の日」は、会社で「柏餅」になりそう。

 ジブリの事ばかり書いていますが、外注さんも休日返上で働いています。そのおかげで、今日の動画上がりは、通常通りの上がりがありました。重ね重ね休日返上ありがとうございます。(制作一同)


5月6日(木)
 ここ数日作監の上がりが大変良かった。連休と有って作監上がりの棚に、又少し溜まっていたのだが、今日から何時も様にどんどん動画に出て行きました。「早く動画になって帰っておいでー。」と願う制作であった。


5月7日(金)
 定例のラッシュチェック。問題無く終了。残りカットを考えると、後何回・・・、いや、予定日までに、1回につき、何カットチェックせねばならないのかを、考えなければ。

 ラッシュチェックが進むと当然、撮影済みのカットが出る。それを制作でカット番号順に並べて整理しているのだが、そろそろ、カットを入れる場所が無くなってきた。残りカット数を考えると、絶対に足りない。どうしよう?


5月8日(土)
 原画の残りがあと一息で、一桁台になります。ここまで来ると、後は一気に・・・。行かないんですよねー。たとえ原画が終わっても、その後の工程は、まだまだありますから。只、なんとなく大きな山を一つ越えたような感じには、なります。


5月10日(月)
 原画残が遂に1桁に。作監残も100カットを切りました。全体の先がはっきりと見えてきました。

 ポストプロダクションが1stに引越し。確か、去年も引越しをしていたような気が。まさにジブリの中をさまよう、遊牧民みたいです。


5月11日(火)
 遂に恐れていた事が、原画及び撮影済カットの置き場所がとうとう無くなった。撮影済カットは、辛うじて、棚に並べる事が出来るが、それも今度のラッシュまで。原画は、もう入れ場所が無く。とにかく整理をして並べているだけ。緊急に棚を購入せねば。


5月12日(水)
 定例のジブリミーティングが行われる。その中でも触れられた事だが、原画の残りが後少し。今週中にほぼ終わるだろうという事。今、原画を描いている方は、4名。最後の方に作打ちをされた方々。しかし、その手持ちも既に一桁。全体でも一桁。先週から原画上がりの無い日が有り、少々寂しいが、これも毎度の事。約45人から4人に減ったんだから。


5月13日(木)
 イレギュラーのラッシュチェックが行われました。今日チェックする事で、ある程度纏めて、データーをフィルムに焼く事が出来るためです。無事ラッシュチェックは、終わり、データーを揃えて、現像所へ。遂にフィルムになる時がやって来た。

 制作倉庫の整理の為、新しい棚を購入。しかし逆に、これ以上は棚さえも入らない状況になりました。さーて、残りのカットどうしよう。倉庫をこっそり拡張するか!!


5月14日(金)
 作画の大橋君に待望の子供が生まれました。更にジブリの男では、大変珍しく、性別は「男の子」です。以前社内結婚で「男の子」が生まれましたが、奥さんが社外の人では、ひょっとして初?これからは、奥さんと子供の為にも、がんばれ大橋君。


5月15日(土)
 久々の原画上がり。さすがに3人で残りの内容では、ペース的にはこんな感じかな。しかし、残り一桁からの進行具合がどうも・・・。

 ピンチ。今日アップ予定の動画が、軒並みずれる。確かに、社内外の動画さんは、連休も仕事をしてくれていたので、ちょっと疲れが溜まったのかなぁ。しかし、このままでは、動画検査や仕上げの手が空きそうなので、月曜に期待する。


5月17日(月)
 この間までの撮影済みカットを制作の倉庫へ移動。ハイこれでもう一杯です。今度新しい棚を買って来て、何処か別の場所に新たに棚を設置せねば。さすがに「千尋」より枚数が多いと置き場所が・・・。


5月18日(火)
 監督チェック・作監作業もいよいよ大詰め。ラストシーンやら今まで溜めていたカット等が迫ってくる。必然的に今までよりも多少時間がかかってしまう。今こうして日誌を書きながら、ふと作監上がり棚を見ると、カットが無い。今まで切れそうで切れなかったロープが遂に切れるか。追い討ちをかけるように、動画上がりが大量に上がってくる。嬉しいやら悲しいやら。


5月19日(水)
 作監作業も随分進み、その最終的な枚数が見えてきたが、これが当初の予定を超えた枚数に。進行具合で要所要所で予想枚数を出していたのだが、ここ数日の作監上がりは、予想を超えた枚数になっており、残りの内容を考えても恐らく「千尋」を大幅に上回る予感。


5月20日(木)
 原画残が残り1カット。あー本当に後もう一息です。

 今月末から最後のカッティング。事前準備として、作監上がりは、基本的に原撮をしていく事に。作監修正に合わせないといけないので、これが中々時間がかかる。


5月21日(金)
 上がった・上がった・上がった、原画が遂に終わりました。本当に一区切り。長い製作期間では、確かに通過点ですが、どれほど制作は、この通過点を待った事か。原画のみなさんお疲れ様でした。

 定例のラッシュチェック。合計で1200カットを超える。後200カット弱。ここ暫く、ラッシュ時のリテークは、無かったのだが、今日は4カットほどリテークが出ました。


5月22日(土)
 いよいよ一週間後に迫った最後のカッティング。作監上がりを制作で片っ端から取り込んでいるのですが、カットの方が思うように来ず、気持ちばかりが焦っております。


5月24日(月)
 美術も残りが一桁になりました。作監も残り50カット、確実にUPが見えてきました。しかし、その前に大きな仕事が。カッティングです。カッティングが終わらなければ、先に進めません。頑張れ作監さん。


5月25日(火)
 作監陣もカッティングに向けてラストスパート、明け方までの作業ご苦労様です。


5月26日(水)
 昨日書いた様に、カッティングに向けてのラストスパートなんですが、当然制作もカッティング素材作りに向けてラストスパートの訳です。しかし、残っているカットは、内容が厳しい為に思うように作業が進まない。更に今日は、作監上がりが纏まってきたので、動画チェック用のマシンを同時に3台稼動させ制作総出で素材作り。残りの数と日数を考えると厳しーい。


5月27日(木)
 厳しいときは、人数を増やせ!と言う訳では無いのですが、忙しい時だけ人数を増やす訳にも行かないので、機械を増やす事に。都合よく1台使っていないスキャナーがあったので、早速使えるようにセッティング。よし、これで今週を乗り切ろう。


5月28日(金)
 制作は、相変わらずカッティング用の素材作りにてんてこ舞い。今日中に何とか残り数を20カットを切るようにしないと、物理的に厳しい。その為今日は、制作全員が明け方まで作業。久しぶりに会社で朝日を見ました。


5月31日(月)
 最後のカッティングの日がやってまいりました。素材作りも何とか間に合い制作一同ほっとしながらのカッティング。しかしながら原撮が少々多い為、やはり前回までのカッティングとは、一味違うカッティングになりました。カッティングは、2日に分けて作業するので、今日出たリテークで可能な物は新たに作り直し、明後日の、本当に最後のカッティングに挑みましょう。