「ジブリだより」2025年11月号
2025.11.10いよいよ11月19日(水)より、三鷹の森ジブリ美術館の新企画展示「山脇百合子の仕事部屋」展〜ごちゃごちゃから見えるもの〜が始まります。展示室には山脇さんの仕事部屋を再現。生前の山脇さんの仕事場は、資料だけでなくご自身が集めた様々な趣味のものがいっぱいで温かさに満ちた場所でしたが、今回再現された仕事部屋も彼女が生み出してきた作品の気配と温かさがそこここに感じられる空間となっています。山脇さんが手がけてきた数々の絵に加え、翻訳者としての仕事や執筆された文章を紹介し、スタジオジブリやジブリ美術館とのつながりを振り返る展示もあります。また作業机のそばに並ぶ小物からは、山脇さんが身近なものに手作りの装飾を施して楽しんでいたことが伝わってきます。他にも、お手紙好きだった山脇さんとご友人との微笑ましいやりとりからは、彼女の人柄を感じとれるのではないでしょうか。この原稿を書いている10月の時点で展示はまだ完成していませんが、山脇さんの画業だけでなく、その暮らしぶりや人生をたどることのできる内容になる予定です。開催期間は2027年5月まで、美術館のチケットは予約制です。
一方ジブリパークでは、10月末から「魔女の谷」でのイルミネーションが始まりました。今年のイルミネーションは、「魔女の谷」で使われている蜘蛛や蛾などのモチーフを取り入れて、入口を中心に施されています。蜘蛛の巣を思わせる電飾が奥行きを感じさせるようにレイヤー状に配置され、このエリアならではの装飾となっています。入口を通り抜けてから振り返ると、外からの見え方とはまた異なって見えるので、ぜひ忘れずにご覧ください。チケットは予約制、詳しくは公式サイトをご確認ください。
「もののけ姫」は現在4Kデジタルリマスター版が公開中です。10月20日(月)には新宿で4KデジタルリマスターIMAXプレミア試写会が開催され、アシタカ役で声の出演をした松田洋治さん、サン役の石田ゆり子さん、鈴木敏夫プロデューサーの3人が舞台挨拶を行い、当時の秘話などが披露されました。若い世代にとってはこの作品を初めて劇場で見ることができるという方も多いと思いますので、お見逃しなく。ところで「もののけ姫」と同じく1997年の夏に公開された「新世紀エヴァンゲリオン劇場版 Air/まごころを、君に」が「もののけ姫」IMAX版と同じ日に公開されました(現在上映は終了)。当時を知るファンの方には懐かしいこの偶然、両作品ともにご覧になった方もいるかもしれませんね。


