「ジブリだより」2025年9月号

 三鷹の森ジブリ美術館にて11月19日から、新しい企画展示が始まります。タイトルは「山脇百合子の仕事部屋」展〜ごちゃごちゃから見えるもの〜。絵本画家・山脇百合子さんの子どもへの愛情溢れる仕事に迫ります。3年前に亡くなった山脇さんは長年スタジオジブリと交流があり、ジブリ美術館にも何度も足を運んでくださいました。姉である中川李枝子さんとの共作『ぐりとぐら』シリーズはいまも多くの人に愛される代表作です。ジブリではお二人の作品を映像化しており「そらいろのたね」は1話30秒全3話、計90秒の短編として、そして「たからさがし」と『いやいやえん』の一話をもとにした「くじらとり」は短編映画として、ジブリ美術館やジブリパークの映像展示室で上映しています。お二人が作り出す世界は、多くの方にとって「子ども時代の幸せな記憶」として心に残っているのではないでしょうか。今回の展示は、山脇さんの仕事部屋を再現し、彼女が描いた世界の秘密やその人柄に改めて触れる貴重な機会となるはずです。会期は27年5月までを予定しており、美術館の11月入場分チケットは10月10日に発売です。

 1997年に公開された宮﨑駿監督作品「もののけ姫」が、4Kデジタルリマスターで劇場上映されることになりました。今年3月には北米のIMAXシアターで独占公開され、初週末の全米興行収入6位という好成績を収めています。フィルムで制作された作品ですが、28年ぶりによみがえる高精細な映像は10月24日(金)より全国のIMAX劇場にて期間限定上映です。お見逃しなく。

 さらにスタジオジブリが制作した、タオル製品などで知られる丸眞さんのCMが完成しました。鈴木プロデューサーの発案で、「君たちはどう生きるか」で作画監督を務めた本田雄さんが作画を担当し、音楽は現在若手ピアニストとして最注目の角野隼斗さん、ナレーションには講談師の神田伯山さんを迎えるという豪華なキャスティング。本田さんの愛犬がモデルとなった、愛らしい犬が走る姿が印象的です。現在YouTubeでもご覧になれます。

 最後に、9月で終了予定の関連イベントをご案内します。東京・麻布台ヒルズギャラリーで開催中の「高畑勲展│日本のアニメーションを作った男。」は15日まで、天王洲・寺田倉庫での「ジブリの立体造型物展」は23日まで(※チケットは完売)、愛・地球博記念公園体育館での「鈴木敏夫とジブリ展」は25日まで、福島県立美術館が会場の「金曜ロードショーとジブリ展」は28日まで。「高畑勲展」は今後パリの日本文化会館へ、「金曜ロードショーとジブリ展」は静岡県へと巡回予定です。予約制の展覧会もありますので、詳細は各ホームページをご覧ください。