「野中くん発 ジブリだより」2020年10月号

 11月3日(火・祝)はもちろん文化の日ですが、この日はレコードの日でもあります。この日に合わせて、スタジオジブリ作品のLPレコードがまた新たに発売されるのでご紹介します。2018年から始まったこのジブリ作品のレコード発売、お陰様でとても好評で、当初の、元々あったLPの復刻だけに留まらず、CDでしか出ていなかったタイトルをLPで出す企画に発展し、続いてきました。今回は「千と千尋の神隠し」と「ハウルの動く城」。いずれも初めてのLP発売となります。「千尋」はイメージアルバムとサウンドトラック、「ハウル」はイメージ交響組曲とサウンドトラックの、計4タイトル。サントラは両方とも2枚組ですが、収録時間が4面に分けるほどでは
なかったので、音が入っているのは1〜3面のみ。CDからLPを作るようになって、こういうことは時々起きているようです。4面目には音の代わりに、レーザーエッチング加工で作品のキャラクターが描かれていて、見て楽しめるようになっています。この、見る楽しみというもの、LPはCDよりずっとジャケットが大きいので、LPが好まれる理由の一つだと思いますが、今回のLPもジャケットは完全に新しくデザインされていて、いい感じです。もちろん見た目だけでなく、LP用にリマスタリングされたマスターを使っていて音も良好。サントラは書き下ろしの解説も付いています。発売元は徳間ジャパンコミュニケーションズ。
 
 一方、出版物ですが、『ののちゃん全集』の新刊が先月発売されました。いしいひさいちさんの朝日新聞連載漫画も巻を重ねて12巻目。また、ジブリのアニメ絵本ミニのシリーズ第4弾として、『スタジオジブリのいろんなくらし』も今月発売されました。通常のアニメ絵本は映画を一作ずつ物語絵本化したものですが、一回り小さいこのシリーズは、「乗りもの」「生きもの」「食べもの」など、テーマ別に複数の作品を編集して図鑑のような楽しみ方が出来る本になっています。今回は「くらし」や、「舞台」がテーマ。そして10月31日(土)には、細川晋輔さんの本誌連載に新規対談などを加えた単行本『禅の言葉とジブリ』が出ます。3冊とも発売元は徳間書店です。
 
 最後になりましたが、本誌8月号の特集で触れた、スタジオジブリの著作権についての考え方を具体的に展開するべく、9月中旬より、ホームページで新たな試みを開始しています。どうぞ宜しく。