「サツキとメイの家」が博覧会終了後も残されることについて

 愛・地球博の「サツキとメイの家」が博覧会終了後も、現地にそのまま残される施設として選ばれたことを大変光栄に思います。

 愛知県の説明によると、これから3年から5年間の長期にわたる公開が予定されるので、博覧会期間中にご覧になれなかった方にも、きっと「サツキとメイの家」を楽しんでいただけるのではないかと思います。スタジオジブリとしても、多くの方々が見学を希望していただいたのに、皆さんの希望に全て応じることができなかったことを、残念に思っていましたので、このような形で再公開が実現できることは、心からうれしいです。

 ただ、結果として「サツキとメイの家」の誘致のために立候補された自治体と署名活動に参加していただいた皆さんのご要望にはお応えできませんでした。この場を借りて、「サツキとメイの家」の誘致を申し出てくださった皆様に対して、心よりお詫び申し上げます。しかしこうして決まってみると、この方法しかなかったのかなというのも、正直な気持ちであり、博覧会協会のご英断に頭が下がります。

 現在発売中の「サツキとメイの家のつくり方」(ぴあ刊)という本には「サツキとメイの家」の設計図を全て載せています。この図面を使うと「サツキとメイの家」を実際に建築することが可能です。スタジオジブリとしては、個人で同じ家を建ててご自分でお住みになる場合には、自由に建てていただいて構わないと思って、設計図を公開することに決めました。ただし当然のことながら、商用目的とか、いわゆる集客を目的とした建築につきましては、お断りさせていただきます。
 

2005.09.01
スタジオジブリ 鈴木敏夫