2001年11月の出版部だより 

■2001.11.28
 美術館の図録編集作業が本格的に始まっている。美術館の展示全体がオープン直前にできあがったこともあり、写真撮影があらたに必要になっている箇所もたくさんある。美術館にお客さまがいる時間はもちろん撮影できない。で、おのずと撮影は朝7時半から10時までと夜6時以後、11時頃までとなる。
 この季節の7時半は、かなり寒い。元来朝に弱い編集担当者にとってもかなりつらい! ところが今回のカメラマンは早起きをものともしない女性だ。まだ20代なのに、ふたりの男性のアシスタントと一緒に気負わず、かつ、光について綿密に計算をしながら、自然体。朝の井の頭公園に三脚をたて、着々と撮影を続けている。
 ちなみに、今回のカメラマンは、カフェを「森の中にあらわれたカントリーハウス」、ロボット兵については、「ラピュタ」の屋上庭園の花を差し出す姿を思いだすとの感想だ。オープン前に制作したポストカードのカメラマンは、男性。彼の写真と比べると、強さはないかわり、その感想どおり、自然さと女性らしい清潔感があふれる写真にあがっている。
 さて、ポストカード撮影中には「かっこいい写真はいらない。なにげない写真を」と話していた宮崎駿館主。今度は、どういう感想を聞かせてくれるのだろう。こう御期待!(ゆ)
■2001.11.12
 現在、出版部では美術監督の小林七郎さんの画集刊行を目指して編集作業中です。
 小林さんはTVシリーズ「ガンバの冒険」「剣風伝奇ベルセルク」、劇場版「天使のたまご」「うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー」などを手がけています。
 また「となりのトトロ」の美術監督・男鹿和雄さんや、「GHOST IN THE SHELL〜攻殻機動隊〜」の美術監督・小倉宏昌さんの師でもあり、今のアニメーション美術を語るには欠かせない仕事を残してきています。
 画集の詳細については、今後、出版部だよりなどを通じてお知らせしていきたいと考えています!
■2001.11.2
 韓国の出版社から冬のジブリ作品の公開にあわせてアニメ絵本(徳間書店刊)を出版したいという話がある。
 海外向けのジブリ関連書の窓口的な仕事もしている出版部では、そのための準備作業をしなくてはならない。どういう作業かというと韓国語は横書き。左から右へ読み、頁は左へ繰る。縦書き文字の日本と逆なのだ。そのためデザイン変更をしなくてはならない部分が出てくるのだ。
 ジブリの海外部門を担当する武田氏によると「韓国では1本の映画の興行が決まると、公開初日まで3週間もあれば準備できちゃう」らしい。つまり、公開が決まったら韓国の出版社はアニメ絵本を翻訳して書店に並べるまで3週間しか時間がないなのだ。どの作品が公開されるか、それが決まってから日本側でデザイン変更の準備をしていたら映画の公開にまにあわない。
 というわけで公開作品は「もののけ姫」になりそう、「平成狸合戦ぽんぽこ」に決まりそうと候補があがるたびにとにかく片っ端から準備していっている。日本のように映画公開まである程度準備期間がある国ばかりではないことはよくわかるが、やっぱり少し振り回される。アァ! 韓国での次回の公開作品はまだ決まっていない。(m)


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