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2006年3月16日

第五十五回 カッティングの痛み

昨日、初めてのカッティング(編集)が行われました。

もちろん、先日書いたように、
カッティングは作品の演出に大きな影響を及ぼす、
とても大切な作業です。

そして、実際に経験してみて、
あらためて思ったのは、胸の痛む作業だということ。

アニメーションにおいては、
たまたま写ったものなどどこにもありません。
すべて、人の手で描かれたものです。
カットを見ると、それに関わったスタッフたちの顔が浮かびます。
できることなら、1秒、1コマたりとも切りたくはありません。

映画『ゲド戦記』では、だいたい1カット平均およそ5秒で、
たとえば、ひとりの原画マンが朝から晩まで全力で取り組んで、
週に2カットにできるかどうか。
さらに、そのカットを完成させるために、
作画監督、動画、動画チェック、背景美術、
仕上げ、CG、特殊効果、撮影……
といった多くのスタッフたちの力が注ぎ込まれています。
アニメーションで絵を動かすということが、
どれだけ大変なことなのか。

もし大きく切らなければならないとしたら、
それは主に監督に責任があります。
編集時に切らなくてはいけないような
絵コンテを描いてしまったのですから。

もちろん、よい作品をつくることが最優先の目標です。
しかし同時に、スタッフの膨大な労力の結晶に
軽々しくハサミを入れてはならない、
そんな気持ちが、とても大事なのだと思いました。