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2006年3月15日

第五十四回 アニメーションの代償行為

予告篇が公開されて、約2週間が経ちました。
ジブリの広報部には、劇場やテレビで観ていただいた方から、
たくさんの感想が寄せられています。

そして、その多くは、
「いつものジブリの感じなので、楽しみです!」というもの。
これは私にとって、とてもうれしい言葉です。

私は、ずっと父とは違う道を歩もうと意識しながら
人生の選択をしてきました。
しかし、今あらためて振り返ってみると、
これまでやってきたことは、
実は、避けてきたアニメーションの代償行為だったような気がします。

私は、大学は農学部に進みますが、
児童文化研究会というサークルに入り、
子どもたちに人形劇を見せたりしていました。

卒業後、公園や都市緑化という
景観の設計という仕事を選んだのも
そこに来た人々が、喜んだり、楽しんだり、ほっとしたり、
すてきな気分になってくれる風景をつくりたかったからです。

そしてその後、ジブリ美術館の立ち上げを引き受けたのも、
まるで、映画館から出てきて「ああ、よかったね」と微笑んでしまう
そんな場所をつくりたいと思ったからです。

ジブリの作品を見たときに感じる開放感や喜びを表現してみたい、
はっきりとではないですが、ずっと、そんな思いにかられて生きてきて、
とうとう、こうして長編アニメーションの監督を務めているのです。