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2006年2月22日

第三十九回 父としては0点、監督としては満点

私にとっての宮崎駿は、
「父としては0点、監督としては満点」です。

父は、ほとんど家にいませんでした。
だから私にとって、
子どもの頃は、母が父親がわりでもあったのです。

父は、毎日、深夜、私が寝た後に帰ってきました。
そういうところは律儀なのですが、
どんなに遅くなっても、いったん家には帰ってきていたようです。
しかし、ほとんど土日も関係なく仕事をしていたので、
物心ついてから今にいたるまで、
ほとんど口をきく機会はありませんでした。

いつも私が寝た後に帰ってきて、
私が8時ごろ学校に出るときには、まだ寝ていました。
だから小学校の頃は、登校する前に、
父がいるかどうか、よく寝室をのぞきに行きました。

父はひたすら仕事に打ち込み、
子どもの世話はもちろん、家事も一切やりませんでした。
そして、それはすべて母がやることになります。

その母もアニメーターだったのですが、
弟が生まれ、私が小学校に上がる少し前、
父が職場を移ったことでそれまで以上に仕事が忙しくなり、
その結果、母は子育てのために、
アニメーターを辞めざるをえませんでした。