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「ゲド戦記」制作日誌

2006年3月 6日

振り返れば奴がいる

 
 こんにちは。

 先週は、作画監督(作監)・美術監督(美監)が共に、驚異的な週ペースをたたき出しました。


 作監UP 85カット
 美術UP 92カット 


 共に、週ノルマを大きく上回る数字。
 作監の稲村さんと、美監の武重さんが、先週の、ゴロウ監督と制作部との攻防を経て、確かな成果を出してくれました。
 それでも、まだまだ油断は出来ません。アニメーションは、難しいカット程、後半にまとまってくる為、常にこの数字をキープする事は至難の業だからです。
 
  
20060306_schedule.jpg
『制作部に貼ってあるスケジュール表。折れ線グラフが急激な伸びを示しているのがお判りになるでしょうか?』
 
 
 ともあれ、期待に応えてくれたふたりの背中に向かって、密かに手を合わせた制作部でアリマシタ。


 さて。


 制作部の一日は、前日までのカット上がり実績と、今日の上がり予定の確認をする事から始まります。
 あらゆる仕事の基本は、整理整頓。実績と今後の予想を整理すれば、自ずとこれからやるべき事が見えてきます。


 「仕事の9割は、整理整頓だよ」


 これ、鈴木プロデューサーの口癖。

 息つく間もないほど多忙な日々を送っている鈴木さんですが、ちょっと時間が空くと、ひたすら自室の整理整頓に明け暮れます。部屋を片づけると、頭の中も整理整頓されるとか。
 雪駄履きをパタパタ鳴らしながら、部屋の掃除を始めたら要注意。こちらの仕事を片づけておくか、さっさと逃げるかしないと、次から次へと仕事が降ってくるのです(笑)

 興に乗ると、人の机も整理し始めますから、スタッフの皆さん、ご注意を!


 閑話休題(それはさておき)


 今朝の出来事。

 先週の背景上がりと、今日・明日の「やることリスト」を作っていると、背後に冷たい気配を感じました。
 振り返ると、眉間にシワを寄せたゴロウ監督が仁王立ち。


監督「冒頭の○○のシーンと、△△の後半、どうなってる?」

僕「冒頭は先週末上がったので(美監の)武重さんのところに。△△は、水曜日に上がってくる予定ですね」

監督「水曜日じゃ、今週のラッシュ(上映)に間に合わないな……」


 ふたりであれこれ対策を練りますが、カッティング(編集)を間近に控え、どうしてもこの2シーンは、今週前半に上げなければならない……という結論に回帰します。


僕「行きますか……」

監督「行こう!」


 勿論、行く先は、美術監督の武重さんの席です。

 最近は、ゴロウ監督自ら、僕らと一緒に取り立て……もとい、チェック兼回収をしているのです。造園や建築の現場をくぐり抜けた経験と勘は、伊達ではありません。


 今朝も、武重さんからバッチリ、上がりを頂きました!
 日曜日も休まずに働いて頂いているのに、ごめんなさい……。

 スタッフの皆さん、これから、ゴロウ監督が後ろに立ち始めたら、要注意です!