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「ゲド戦記」制作日誌

2006年2月23日

「ゲド戦記」予告編ノーカット放映!

 
 おはようございます!

 昨日の予告通り(?)、僕もテレビにかじりついて「ゲド戦記」情報を待っていました。
 なんと、予告編をノーカットで放映して頂けるとは! 思わずご近所迷惑も考えず、大きな声を上げてしまいました(笑)「ズームインSUPER」のスタッフの皆さんに、心から御礼申し上げます。


 さて。


 3分弱の予告編には、多くの情報が含まれていました。


1.映像が初公開されたこと。

2.主題歌とヒロインの声に、新人・手嶌葵(あおい)さんが起用され、豪華キャストが発表になったこと。
 
3.予告編に、ストーリーの片鱗に触れるボディコピーが含まれていたこと。


 1.に関しては、追ってゴロウ監督が「監督日誌」で語ると思いますので、今、多くを記すのは控えておきたいと思います。監督以下、ジブリのスタッフが一丸となって、一枚一枚、描いたものです。
 この映像がいかにして生まれたかは、今後「ゲド戦記の作り方」で、じっくりと紹介してゆきたいと思っています。

 2.の、主題歌・ヒロイン役の手嶌葵さん関しては、今、情報を出すことは出来ません。新聞の見出しには、完成披露試写会まではベールの中……と書かれているようですね。以前の監督日誌に、ゴロウ監督の熱い想いが記されています。

 その他の豪華キャストも、先日発表された、王子アレン役の岡田准一さん、大賢人ゲド役の菅原文太さんに加え、風吹ジュンさん・倍賞美津子さん・田中裕子さん・小林薫さん・夏川結衣さん・香川照之さん……と、今更語る迄もない豪華な顔ぶれ。アフレコ(声を録音する事)が楽しみでなりません。

 そして、3.の作品の内容に触れるボディコピー。

 ボディコピーとは、映画を一言で言い表すコピー(「もののけ姫」であれば「生きろ」)を補完する、作品内容に触れたちょっと長めのコピーの事を言います。

 予告編には、以下のボディコピーが記されていました。
 
 
 人々は
 せわしなく動き回っているが
 目的は無く、
 その目に映っているものは、
 夢か、死か、
 どこか別の世界だった。

 災いの源を探る旅に出た
 大賢人ゲドは、
 心に闇を持つ少年、
 エンラッドの王子
 アレンに出会う。
 
 
 原作「さいはての島へ」をお読みになっている方は、ピンと来たのではないでしょうか。
 「さいはての島へ」は、世界の均衡が崩れ始めた多島海世界・アースシーの各地で同時多発的に起こった災いの謎を解くために、王子アレンと大賢人ゲドが旅をする物語。映画「ゲド戦記」も、まさに世界のバランスが崩れ始めたところから、物語が始まります。
 
 
 人々はせわしなく動き回っているが目的は無く、その目に映っているものは、夢か、死か、どこか別の世界だった──。
 
 
 この言葉から、皆さんは何を想像されるでしょうか。

 この間の「ゲド戦記の作り方」で、ゴロウ監督・鈴木プロデューサー以下スタッフが、「ゲド戦記」という偉大な原作を、現代に向けて描くにはどうすれば良いのか、「今何を、誰に向かって作るのか」を、考え続けてきた事を書きました。

 その「今」=「現代」を象徴する言葉が、予告編に記されたボディコピーの中に隠されているのです。

 
 今日のテレビ放映を見逃してしまった! という方は、ぜひ週末、全国の東宝系の映画館にお運び下さい。「ゲド戦記」の予告編を大画面でお楽しみ頂き、このボディコピーに込められた、今という時代に対する監督の想いを、感じ取って頂ければ幸いです。