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「ゲド戦記」制作日誌

2006年1月16日

あの日に帰りたい

 おはようございます。

 1月も、あっという間に半分が過ぎてしまいましたね。

 昨年末の大掃除の際に、どこから見つけてきたのか、壁に、真っ新な2005年のカレンダーを貼ったスタッフがおりました。
 これ、アニメーションの制作現場では良くあること。単なる間違いではなく、「もう1年欲しい……」という願望の表れなのです……たぶん。
 
 今日は、先週までの制作進行状況をおさらいしておきたいと思います。

 先週金曜日、定例のラッシュ上映が行われました。

 これで、ラッシュ上がりは129カット。
 「ゲド戦記」は、総カット数1235カット。
 完成映像が、全体の1/10出来た、という事になります。

 いくつかリテークが発生しましたが、全て、画面を更に良くしたい! というメインスタッフ総意の修正。一同、画面の方向性には、大きな手応えを感じています。

 あとは、スケジュールとの闘いです。

 レイアウトは、監督自らレイアウトを切り、スタッフも負けじとペースを上げてきた成果で、あと少しで1000カットの大台を越える見込み。原画上がりは500カットを越え、以降の作業が追随している状況です。

 とはいえ、これからが本番。

 原画上がり500カットという数字は、総カット数から計算すると、全体の4割。
 一方スケジュールは、昨年9月の作画インから、これまでで4ヶ月半。音響作業を考えるともう、折り返し地点を過ぎているのです。

 この間、触れてこなかったのであらためて記しますと、「ゲド戦記」の作画期間は、最近のジブリ作品の約半分。限られたスケジュールの中ですが、スタッフは一切の妥協を許さず、めざましい成果を上げ続けています。

 アニメーション制作は長期戦になる為、後半にたまってくる「疲れ」をいかにうっちゃるかも大きなテーマ。先週末の餅つき大会も、スタッフみんなで心と身体をリフレッシュして、また明日への活力を養おうという、現場から生まれた知恵なのです。

 皆さんのもとへ、映画をお届けする日を夢見ながら、スタッフ一同頑張りますので、ご期待下さい。
 
 
 あ、言うまでもありませんが、件の2005年カレンダーは、ちゃんと剥がされておりますので、ご心配の無きよう……。
 
 
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『某女性作画スタッフが、限界まで使い切った鉛筆!』