2007年10月

10月1日(月)
早いもので、もう10月に入りました。
「さぁ、10月も気合入れて頑張るぞぉ!」っと思ったのですが・・・
土日の急激な気温の変化のせいで、体調を崩してしまうスタッフが続出してしまいました。確かに、今年の気温は異常です。
温暖化のせいで気温差が激しくなり、非常に身体に負担がかかる上、これに上手く適応しながらのポニョの制作は、とても厳しいものになりそうです。
『最後まで、スタッフ全員が元気に笑顔で制作し終える!!』ということが何よりもの願いです。
しかし、季節の変わり目が一番危ない時期でもあります。
皆さん、くれぐれも気をつけましょうね。
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「こんな状態にならないように、気をつけましょう」

本日、東京都現代美術館で開催されていた「男鹿和雄展」もいよいよ楽日を迎える。閉館後、関係者が全員集合して現代美術館の会議室で打ち上げを。コーヒーや紅茶も入れたものをペットボトルに入れて冷やしたり、もらいもののお菓子を並べたり、とても手作りな暖かい感じの打ち上げだった。出席した男鹿さんもとても嬉しそうで、いろいろな人に挨拶にお礼に忙しい様子だった。
この展覧会は予想を超えるお客様に来ていただいたため、入場まで長時間並んでいただいたり、あきらめて帰られた方も多かったと聞きます。ご不自由をかけた皆様には、本当に、申し訳ございませんでした。今後の巡回展や12月に発売されるDVDにも興味を持っていただけたら、望外の幸せです。
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「男鹿さんを囲んでなごやかな打ち上げの様子」
 
 
10月2日(火)
今月から、作監と原画マンが祝日なども出勤となり、作業日数が延びることになりました。ということで、いよいよ追い込み時期となり、スタッフの休みも徐々に削られていく現状が始まってしまったのです。
一番心配なことは、休みを削っての作業は、スタッフの身体にも精神的にもストレスを感じやすくなることです。制作部としては、高いモチベーションをこの先も保っていくために、より一層全体に気をつかっていき、現場がスムーズに流れるよう努めたいと思っています。
現在、動画マン個人の面談が終わり、原画マン個人の面談を実施中。一人ひとりの声を聴くと共に、綿密な話し合いの中でお互いの意思疎通をはかっていけたらと思います。
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「オレンジ好きな某スタッフのGoods♪」
 
早速、色占いでオレンジ色を調べてみました。すると、結果は・・・
【人間味があり、情のこまやかな暖かい性格。でも、情に溺れることもなく、一定の距離を保った人間関係を好む。】と出ました。
オレンジ好きの方、この結果は当たっていますか???


10月3日〔水〕
秋と言えば・・・
食欲の秋!!今日の差し入れは「美味しそうなブドウが登場☆」
色とりどりの三色が、またも食欲をそそぎます。
昨日も、原画の山下さんから「皮ごと食べられる種無し葡萄」の差し入れがあり、「甘くて、とぉっても美味しくて、別の果物みたいだぁ◎」と、皆珍しそうにしていました。秋は、美味しい食べ物が沢山登場する季節です。
しみじみと季節の移り変わりを食べ物を見て浸っていましたが(笑)・・・・
よくよく考えてみると、季節が変わる=映画公開予定日にどんどん近づいている!
ということになるのですよね。ぼーぉっとしている場合ではありませんでした。(苦笑)
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「絵画のように色鮮やかな葡萄。おもわずジッと見ちゃいます☆」

この日は、終日、イマジカで「雪の女王」の予告編の編集を行なう。予告編を制作といえば、ガルの板垣さんの出番だ。ジブリの作品の予告編はほとんど全て、板垣さんに頼んでいる。だから、板垣さんもこちらが言いたいことを全部察してくれて、こういう時にとても頼りになる人なのである。
ところで、お昼に何を食べるかという話になって、イマジカに常備してあるデリバリーのリストを片端からひっくり返して検討。何がおすすめかをスタッフに尋ねると、「選んでみてダメならいいます」とのこと。ジブリ内で出した結論は「オーベルジーヌ」のカレー。お伺いをたてたところ無事OKがでて、さっそく注文。朝食にカレーを食べてきたまゆちゃん、申し訳ないです。カレーは毎食でも入りますから。
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「どんな予告編になったのかは、お楽しみ♪(ネットでも近日公開予定)」
 
夜は、「アズールとアスマール」の打ち上げで、原宿のチュニジア料理の店に出かける。映画の配給に携わった関係者が40人くらい集まって、みんなで成功を喜ぶ会である。
ところでこの店、映画の舞台にちなんで選ばれた店なのだが、実はNTVの「いまあま」という番組でキャイーンのふたりが食べていたギョーザみたいな食べ物が物凄く食べたくて、選んだことはごく小数のスタッフのみ知るところ。その念願の揚げギョーザのような食べ物は、中に半熟卵が入っていて、パリパリした皮とあいまって、絶妙な美味しさだった。本当は、ひとりひとつだったのだが、あまりに物欲しそうにしていたためか、余ったひとつをお店の人が持ってきてくれて、待望の2個目をゲットできて喜ぶN部長の姿も見られたという。
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「ブリックという食べ物のようです」
 
 
10月4日(木)
原画と作監の目標UP数と実績UP数がシビアに一目で分かってしまう状況表が貼り出されました。この表からは、いつまでにどれくらいのカット数を終わらせるべきなのかがハッキリと分かります。
スタッフの意識の中に自然と・・・
「目標UP数&UP日」が植えつけられていることでしょう。
スポーツ選手は、自分の目標を口に出して実現していくものです。
それはきっと、アニメの世界でも一緒のはず☆
さぁ、皆さん大声で口に出しましょう。「○月○日にUPします!」って☆
きっと、いや、必ず実現するに違いない・・・・。と信じたい。

夜は、事務系スタッフの歓送迎会で、吉祥寺のトルコ料理の店へ。この店の売りは一日一回、ベリーダンスが行なわれること。ということで、お姉さんといっしょに踊るスタッフの姿を写真で紹介。本人の名誉のため、あえて名前は紹介はいたしませんが。また、お姉さんの肌がキレイかどうかばかりを気にしていた女性スタッフもいたのだが、これも本人の名誉のため、あえて紹介はしないことにします。
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「スリムなお姉さんでした。楽しそうですね♪」
 
 
10月5日(金)
またまた、覗いてみました「ビリー部☆☆☆」
先月の末ごろに、ビリー隊長が日本へやってきて一緒に体操できるイベントが開催されました。ビリー部の方々もそのイベントに参加したとのこと☆
その時に購入したと思われるTシャツを現在の部のユニホームにし、さらに強い団結心が生まれた様子です。
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「進化するビリー部☆」
 
ジブリの近くの北大通り沿いに新しい店舗が建設中。白とオレンジ色を基調としたデザインで、AUショップ?トヨタカローラ店?と思っていたのだが、ついにこの日、判明する。答えは、山梨を発祥の地とする、手ごろな価格で有名なお菓子屋さんのチェーン店だった。ジブリからこんな近くに、お菓子屋さんができるなんて、おやつに最適だね、なんて話している。17日のオープンは、オープニングセールのはずなので、絶対並ぼうと思う、食いしん坊の3スタ2階スタッフたちなのである。
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「どこのお店か、バレバレですね(笑)」
 
 
10月6日(土)
ひそかに作画部で流行っている、激辛レトルトカレー!!
その辛さは、なんと40倍☆
辛いのが大好きな某スタッフでさえメゲちゃうほどのお味だそうです。
というか、味なんて分かるのだろうか??
我こそはという方、ぜひ一度お試し下さい。
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「撮影部でも、ポニョが予定通り公開できるように祈りを捧げております☆」
 
劇的3時間SHOWに鈴木さんが出演。岩波書店の井上さんを聞き役?に、3時間の濃い内容のトークショーがくりひろげられる。いつもの関係各社の面々も勢ぞろいして、「うーん、トークもここまでくると、話芸の域だね」「古典落語みたいに完成度が上がっている」などと好き勝手な感想を述べている。それにしても、映像もないただのトークで飽きがこないというのは、やはりすごいことだと思う。大学の講義なら、2回ぐらい居眠りしてもおかしくないのに...。
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「それにしても、すごい数のお客さんでした。鈴木さんも圧倒されていたみたいです」 
 
 
10月7日(日)
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「ジロ・デ・信州2007」
 
 
10月9日(火)
先月、フィンランドまで出張に行ってきた広報部田村さんがお土産の整理をしている。ジブリ美術館のクリスマス装飾に使うものらしい。そういえば、最近、雑誌でフィンランドの特集があって「世界一まずいお菓子」というのを読んだ気がするので、その話をすると、「買ってきましたよ」と取り出したのがご覧のサルミアッキ。さっそくそのまずさ具合を確かめようと食べてみると、「!?」、案外食べられることに気づく。自分の味覚がおかしいのかと思ったが、案外、回りの人も同意見。ジブリスタッフの味覚、恐るべし。
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「これがサルミアッキだ」
 
 
10月10日(水)
「雪の女王」予告編の初号がイマジカで行なわれる。その日のおもしろエピソードは「ジブリ美術館ライブラリー日誌」に書かれてしまったので、あえて繰り返さないが、鈴木さんの感想を紹介。鈴木さんによると、「一度目と2度目の見え方は全然違うので、何度か見て欲しい」ということ。確かに情報満載の64秒なので、何度も観て欲しい。そのためには、公式サイトでも見られるので、こちらをチェック。
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「試写...というか、遅刻者を待つ鈴木さんほか」
 
最近、電車(JR中央線)に乗っていると、新型車両の液晶テレビで、ジブリ作品の画像が流れていて、ドキッとさせられることがある。2002年に「空想の空とぶ機械達」というジブリ美術館の企画展示にあわせてつくられた短編だ。JALとジブリが手を組んだ「空を飛ぶ。プロジェクト」のCMの中で、この映像が流れているのである。ジブリが作った短編の中で、宮崎監督が自らナレーションをつとめている幻の作品で、短編集「ショートショート」にも収録されていない貴重な作品です。観ることが出来た人は、ラッキーですよ。(ちなみに本編は、JALの機内で見られるようになるそうです。詳しくは、JALのサイトから)
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週一恒例の制作会議が行われる。「ポニョ」制作も今月から原画・作監と順に追い込みに入り制作部も気持ちを切り替え、完成を目指していかなければなりません。スケジュールの話をする時に無視できないのはカッティング!カッティングに間に合わせるためにロール毎の采配を考えたり、間に合わない素材の線取り作業など、カッティングを頭に入れたスケジュールを考えなければならない制作陣。いつもの事ながら更に忙しくなりそうだなと痛感させられた嫌な制作会議であった。(笑)
 
「崖の上のポニョ」の宣伝会議が宣伝に関する関係各社を集めて開かれる。公開は、まだまだ先なのだが、年末に、主題歌が発売されプロモーションも始まるので、その理解を深めるための鈴木Pによる説明会なのだ。最近の景気動向の分析から、映画の宣伝手法の話まで、いかに、現在、映画の宣伝が難しいかを語る一時間。ジブリは毎回、時代にあった宣伝をするために方針も手法も違うので、毎回、新鮮な気持ちで宣伝に取り組めるのだ。ポニョの宣伝がどうなるか、ご注目のほどを。
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「鈴木さんの話を聞く。真剣な表情の一瞬」
 
 
10月11日(木)
「雪の女王」の先付けのラッシュ上映が行なわれる。ラッシュ上映と言ってもフイルムでタイトルのチェックをするだけの短いラッシュだったのだが、今回映写機を操作したのは現在古城さんの講習を受けている制作の慎太郎。本人はいつもの用にお昼に向かおうとしていた所、古城さんが慎太郎の席まで現れ、
「初本番2時からよろしくね」と抜き打ちでフイルムをかけることになり、本人はお昼所では無くなった模様。
ここ2週間程講習が無かった事と初の本番と言うこともあり、不安になったらしく講習ノートを持って映写室へダッシュしていった慎太郎・・・。本番はスムーズにフイルムを掛けられた様子、今後いつ抜き打ちでお願いされるかと思うと「ドキドキですよ」と不安気な慎太郎であった。
 
 
10月12日(金)
本日、11月中旬の社員旅行の打ち合わせが行なわれる。打ち合わせと言っても旅行委員が各持ち場の出欠の確認を取るように言われただけで、宴会時のゲームなどの具体的な話しはこれからしていくらしい。今回の行き先は奈良の某所!ジブリの泊まる予定になっている宿は山奥、歩いてはホテルに迎えないため駅からはロープウェイで向かうらしいのだが終電時間が早いらしい・・・。
一体何人のジブリ社員がホテルに戻れないことになるのか非常に楽しみ・・・、いやいや非常に心配である。スタッフの皆さん終電時刻を調べてから当日は行動しましょう。
 
 
10月13日(土)
昭和女子大で「森は生きている」の公演があり、翻訳者の児島宏子さんからジブリスタッフも招待を受けて出かける。せっかくのロシアの舞台なので、これはチャンスかも!という思いで、「雪の女王」のチラシを持って出かける。無事、会場で配らせてもらっていたら、「何してんの?」という、聴きなれた声が。ジブリ美術館のタッキーと石光さんのふたりだ。飛んで火にいるなんとやらで、さっそく、チラシ配りに協力してもらう。おかげ様で、無事、配り終えることができました。協力、ありがとう!
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ところで、舞台は、とっても楽しいものでした。16日までの公演なので、興味がある方は、是非行ってみてください。

 
夜になると、1階のスタッフは皆帰ってしまい相手にしてくれる人がいないので、必ず2階の制作・作画部の所にやってくるシャチ。
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「目を光らせ今日もやってきました」
 
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「シュレッターに身体を擦りつけているシャチ・・一体何しにきたのか。
誰もいない事を確認すると廊下の方に去って行きました。」
 
 
10月15日(月)
ここまでの各セクションの数字
レイアウト・・878cut
原画・・・・・644cut
作監・・・・・540cut
動画・・・・・491cut
背景・・・・・582cut
仕上げ・・・・462cut
撮影・・・・・449cut

季節もようやく寒くなり、身も心も引き締めてくれる時期になる。全体のスケジュールの3分の2が経過して、各部が追い込み体制に入っている。制作部としてもここからいかにコンスタントに数字を積み重ねていけるかが勝負の時期となるのだ。
 
長い間、ジブリ担当だったディズニーの永見さんが、人事異動のためジブリの担当を外れることになる。そのご挨拶で、後任の担当者とともにスタジオジブリを訪問し、別れを惜しむ。実をいうと、永見さんとは、一年以上ジブリの広報部にレンタル移籍で来てもらっており、この日誌にもちょくちょく話題を提供してくれていた、とてもジブリと親しい間柄の女性なのである。鈴木さんからは、直筆のサイン色紙が送られ、本当に名残惜しいひと時だった。後任の山下さんは、ひょっとしたら、ジブリの海外担当の部署の仕事をしていたかもしれない男性ということがわかり、ジブリとの不思議な縁を感じる。これからも、よろしくお願いします。
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「永見さん、色々とありがとうございました。袋の中には鈴木さん直筆の色紙が入っています」
 
 
10月16日(火)
いつもお弁当を届けてもらっているキッチンブラウンのおじさんの息子さんが結婚するとかで(おめでとうこざいます!)、この二日間、広報弁当がお休み。ということで、今日は、広報部のうっきゃーがオリ○ン弁当を買いに行く。久々に食べる他の店のお弁当は、結構ボリュームがあり、ひとりでは食べきれないほど。おじさんのお弁当は、よく考えられているなあとつくづく思う今日この頃なのである。毎日、本当にありがとうございます。
 
 
10月17日(水)
近くのお菓子屋さんが、ついにオープン。朝から、オープンセールですごい人だかり。ジブリ3スタスタッフも、午後になって出かけて見るが、帰ってきての感想は、「普通のお菓子屋さんだった」ということらしい。確かに洋菓子だけでなく、開拓おかきに良く似た食べ物や、10円饅頭、牛乳なんかも売っているらしい。というわけで、みんなで試食してみる。今度は、ケーキを買ってみようなどと思う。
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「さっそく牛乳を飲んでいるイトノン。そのお味は?」
 
 
10月18日(木)
今シーズン最後の野球部の練習が行なわれる。これから「ポニョ」が追い込みになり、部員が集まらない事と練習場も冬季休業に入る為である。今月の下旬に練習試合があり、それがシーズン最後の試合。来期に向けて、勝って良い形でシーズンオフを迎えて欲しいと思う制作部一同であった。
 
 
10月19日(金)
宮崎監督と制作部で、今後の追い込みの各セクションの状況について話し合いをする。絵コンテの状況や各セクションの抱えている問題点、今後の方向性など、話し合いは多岐に渡る。監督として譲れない部分と制作として解決していかなければいけない問題点を提示しあい、今後どの様に全体をコントロールしていくのかを話し合ったのだが、その中で、この先の絵コンテの展望の話をする監督は非常に楽しげで、しばし現実を忘れてその話を聞き込んでしまう制作なのであった。
 
お昼に、男鹿和雄展で売っていた秋田セットに入っている"きりたんぽ"を調理。ついでに、制作業務の品川氏がインターネットショッピングで仕入れた格安の蟹を大量に茹でて、スタッフ有志でいただくことに。野菜がふんだんに入った"きりたんぽ"は絶品で、みんな何かに取りつかれたように無言でなべに向かう。ご飯に汁をかけておいしく頂くスタッフや、蟹をいっしょに入れてアレンジして食べるスタッフもいて、本当に大満足のお昼だったのだが、一人当たりの負担がわずか500円と聞いて、一体あの蟹は大丈夫だったのだろうかと思ったのも事実でした。
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「おいしそうですね。きりたんぽ鍋。左のほうには蟹の姿も見えます」
 
 
10月20(土)
夜21時過ぎに、制作部長の渡邊さんが元気無く落胆した顔で夕食から戻ってくる。どうしたのか尋ねると、「シーズンが終わった」と一言。どうやら現在行なわれているプロ野球のクライマックスシリーズで、大ファンのジャイアンツがドラゴンズに負けて敗退してしまったらしい。
それを聞いた、制作の郷平(ライオンズファン)と慎太郎(タイガースファン)が嬉しそうに「今シーズン、ご苦労様でした」と傷に塩を塗る言葉を投げかけていた。週明けは、社長の鈴木さん(大のドラゴンズファン)の笑い声が会社に響く事になりそうだ・・・。
 
六本木ヒルズの「みなと映画祭」で「アズールとアスマール」の上映があり、チラシ配りに出かける。小さな会場だったので、チラシ配りものんびりしたものだったが、気がつくと会場内では、売り子さんが、パンフレットの販売やお菓子の販売を行なっていて、なんだか、最近の映画館では見かけなくなってしまった光景だなあと、懐かしくなってしまった。最近は、いたるところで昭和ブームだし、来月には、「続・三丁目の夕日」も公開になります。忘れたくないですね、こういう古きよき時代を。
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「シネコンでも、売り子さんがいるんですね」
 
 
10月22日(月)
制作部では、各担当の進行状況がわかるように、状況表を作ったり塗り絵にしたりして貼り出しています。それらには、各セクションの目標UP予定日なんかも、記載されています。動画の目標UP予定日は、4月の中旬を目指しています。
それなのに、誰かさんが(笑)消えないペンで堂々と【7月】と目標UP日を延ばしているのを発見し、びっくりした制作は、慌てて負けじと太いマーカーでさらに明確な日にちを記載した紙を貼り付けました(笑)
それを見て苦笑いのIさん・・・・・。
そうです、作監補として頑張ってくださっているIさんの仕業だったのです!
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「デカデカと貼り付けました。笑。」

とにかく、この目標でやれるところまでやってみるのです!!ふむふむ。(奮)
 
(秋の話題その一)
韓国からやってきた海外事業局のお客さんが、なんと大量の松茸をお土産に!さっそく、各部署にも御裾分けが配られる。こんなに立派な松茸を見る機会はめったになく、「ありがたや。ありがたや」と、一同で取り囲んでは手を合わせる。ちょっと香りは少なめだが、明後日に松茸ご飯にしておいしくいただくことに決定する。そんな秋の一日だった。
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「見事な松茸ですね」
 
(秋の話題その二)
秋も深まると、そろそろ空気も澄んできて夕陽の様子が気になってくる。今日も良い天気だったのでそろそろと思い、一スタの屋上に上がってみると、ご覧のように見事な夕陽とうろこ雲が見られたのであった。これから、約半年間、油断できなくなるスタジオの夕方である。(撮影部の方、美術の方、お待ちしております。)
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「雲が秋っぽいですね」
 
 
10月23日(火)
毎週、火曜日は、制作ミーティングの日です。いろいろと、状況報告を行って話し合いがなされるのですが、毎度毎度、ミーティングをすればするほど、どんよりした空気が漂っているような・・・。
それはさておき、基本的に制作部は明るくて笑いの多い、冗談好きな(特に部長のWさん、それにIさん、Kさん・・・)部署なので、とりあえず、前向きにこの状況を乗り越えようとしております。
この先一体、どうなってしまうのか、ますます波乱万丈のスケジュールになりそうですが、絵コンテが早く出来ますようにと祈りつつ、頑張ります◎
 
この日の夜、「スターダスト」という映画の社内試写が行なわれる。どうしてジブリで上映されることになったのかというと、「この物語の感動は、まさしく宮崎映画の実写版を見ているようだ」というアメリカでの評論家のコメントが宣伝文句として使われているせいなのか、はたまた、原作者のニール・ゲイマンさんが、「Princess Mononoke」の英語版の脚本を担当していただいたせいなのか、本当に、内容がハウルやラピュタがもつイギリス風なテイストが似た空気を感じさせるためなのか...。観たスタッフの感想としては、とにかく「ロバート・デ・ニーロが最高!」というのが衆目の一致するところ。是非とも、劇場でご覧下さい。
 
 
10月24日(水)
ジブリでは、作監修正用の紙の端にペンで色を付け、誰が修正を入れたのか分かるようにしてあります。早速、その用紙にペンで色を付けようとしていたIさんを発見!!
よーく見ると・・・・
なななんと、今の心の心境を書き綴りながら紙に色を付けているではありませんか!!!!
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「重ねるとわかりませんが、ひろげると・・心の叫びが出てきます」
 
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「かなりお疲れのようです。。。。。」
 
Iさん、毎日毎日お疲れ様です。お願いですから、自分のカラダに耳を傾けて、
ちゃんと労わってあげてくださいね。制作部からのお願いです。
 
月曜日に頂いた松茸が、お昼に "松茸ご飯"となり、すきっ腹のスタッフの胃袋に直行。無事、成仏されたのであります。ご馳走様でした。
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「おかずもたくさん用意しました。」
 
今日は、日本テレビが総力を挙げて制作し公開される「ALWAYS 続・三丁目の夕日」の社内試写が、日テレの奥田さんのご厚意で行なわれる。冒頭からぐいぐい惹き込まれる内容で(ネタバレ厳禁です)、再現された昭和30年代の東京のディテールも素晴らしく、最後には回り中がすすり泣き状態の感動作でした(一部スタッフは、本編の先付けで上映された「マリと子犬の物語」の予告編を観た時点で、ボロボロ泣いてしまったという...)。11月3日公開なので、是非とも劇場でご覧下さい。
 
 
10月25日(木)
最近、シャチが勝手に椅子に座って、我が物顔で占領します。
しかも決まった時間に・・足音も立てずに・・・こっそりとやってくるのです。
こちらも、負けずに無理矢理に座ってみせると、ホラこの通り、なんだか迷惑そうな顔をしています。迷惑なのはこっちのほうです、シャチさん!
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「なぜ座るニャ!的な顔のシャチさんです」

そして、こちらも、決まった時間に鳴いてやってくるウシコ。
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「私も、お仕事させてニャン!」
 
「アニメーションノート」というムック本の取材で、押井守監督が来社する。鈴木プロデューサーとの対談である。前回の公の場での対談は、確か、「立喰師列伝」の時だから、約2年ぶりというわけだ。ふたりの対談は、監督論やプロデューサー論を皮切りに、序盤戦から火花が飛び散る丁々発止状態。ものすごくおもしろかったのだが、筆者は用事があったため中座しなくてはならなくて、最後まで見届けることが出来なかった。ああ、早く、続きが読みたい!と思える久々の対談だったので、今から発売日が待ち遠しいのである。
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「いつになく、真剣な様子。火花が飛び交います」
 
 
10月26日(金)
なんと!!!
今度の社員旅行でベル演奏の機会を設けてくださるという情報が入り、あの送別会以来、2度目のお披露目の機会をいただけることになりそうです。
しかし、突然だったため、まともに演奏できる曲が無く、一同焦りの顔が出始めました。
実は、演奏チャンスがあるかも??という予想は、少しはあったのですが、
「まさかぁ~」と言いながら練習をしておらず、12月の忘年会に向けて、
地道にゆっくりとベル練をしているくらいのレベルだったのです。
さてさて、社員旅行の日まで、本日入れてあと3回しかありません。
一体、3回でどんな曲が弾けるのでしょうか?? どうなるHABU?!
 
この日の夜は、ジブリ担当を離れる永見さんの送別会。子供連れもいることだし、思い出の場所での送別会ということで、ここ3スタの2階で行なわれる。広報部のうっきゃとPD室のまゆちゃんをはじめとする皆の頑張りで、料理もたくさん、キャンドルでの演出や、思い出写真のスライドショーも準備されて、手作りだけど、あったかな送別会になりました。永見さんも、こみ上げる思いがあって、思わず涙があふれた瞬間も。たとえ、ジブリ担当からは離れても、永見さんとの友情は不滅です。いつでも、遊びに来てください。
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「照明を消してキャンドルサービスでムードを盛り上げます。永見さん、これからもよろしく!」
 
 
10月29日(月)
つい最近10月になったと思えばもう月末!月変わりが早く感じるという事は「ポニョ」も公開日が徐々に近づいている事になります・・・。
公開が近づくと言う事は当然スケジュールを意識し始め、来年1月からを予定している、カッティングに向けた準備を始めていかなければなりません。カッティングに必要な素材は勿論完成した映像!しかし中には撮影まで間に合わない絵もでてきてしまうのがアニメーション制作の悲しいところ・・・。当然の事なのだが、できるだけ完成映像をカッティングで使用したいので、カッティングが行われるコンテの範囲を把握し、cutの優先順位を決めて1cutでも多くの完成映像をカッティングに間に合わせなければならないのです。
1回目のカッティングはコンテのA・Bパートに当たるので、ほぼ完成映像になると思われます。しかし問題は2回目以降のカッティング・・・Cパート以降に関しては正直この場では申し上げにくい進行状況。Dパートのコンテも完成していないので先も見えないのだが、なんとかカッティングを乗り切っていきたいと思う制作部一同である。
 
 
10月30日(火)
昨日の日誌でも出ましたが、制作部ではカッティングを意識したスケジュールを組み始めています。カッティングの話しをする時に忘れてはならないのが線撮り作業。線撮りとはカッティングまでに完成映像が間に合わないとされる原画・動画を編集用に色のついていない白黒の状態で撮影する方法。スケジュール的に見るとカッティングは来年の1月を予定しているので準備をするには早いのだが、今回「ポニョ」では以前まで線撮りで使っていたソフトではなく、ジブリオリジナルのGTSというソフトを使って作業をすることに決まり、仕上げの齋藤さんから使い方の講習を制作・慎太郎と三吉が受ける事になる。GTSはスキャンのスピードが非常に速く、追い込み時期の時間短縮には非常に嬉しい。当然使いこなせなければ意味が無いので、少しでも早く習得するべく、空いた時間にGTSを使っての線撮り練習を行っていかなければと思う若手2人である。
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「早速、線撮り練習を行う三吉」
 
 
10月31日(水)
本日はジブリ連絡MTGが行われる。各部署の代表が、毎月一回、鈴木さんの伝える社内のニュースを聞きに来る会議である。ところが今日のMTG、開口一番、鈴木さんの口から出た話題は、日本シリーズのこと。そう、鈴木さんは知る人ぞ知る、中日ドラゴンズ、特に、落合監督の大ファンなのだ。ここで鈴木さんは、「初戦のダルビッシュの快投にやられた時点で、ドラゴンズの4連勝を確信した」と、大予言。この予言は、結果として大当たりになるのだが、鈴木さんのドラゴンズについて語る様子の嬉しそうだったこと。出席者は全員ため息をついていたのだが・・・。
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「楽しそうに語っている鈴木プロデューサー」

本日、「雪の女王」チームは、ソニーPCLでテレビ用スポットのMA、つまり、音楽作業とナレーション撮り。ナレーションは日本テレビの古閑陽子アナウンサー。さすが「うるぐす 」などを担当していることもあり、ハキハキした明るいしゃべり方で、ほとんど一発採りでOK。ただ、日テレの映画事業部の畠山さんは、「もっと色気を出して」なんて無理なリクエストを出して、いろいろやってもらったのだが、色気については、微妙な感じだった。はたして、どんな仕上がりになったのかは、日本テレビの早朝や深夜で流れる(であろう)「雪の女王」テレビスポットでご確認ください。
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「打ち合わせをする畠山さんと、明るい古閑アナウンサー」
 
 
というわけで、10月は終わりです。ハロウィンだというのに、今年は盛り上がりもなく、淡々と過ぎて行きました。今年も残すところあと2ヶ月です。季節は着実に冬へと向かっている東京の小金井市にあるスタジオでした。