2007年06月

6月1日(金)
本日は試写室の都合もあり、一日繰り下げで、ベル部の練習がありました。実は、大変嬉しいことに先々週、美術館から譜面台が5台ほど届きました♪私たちにはもったいないほどの、とても立派な譜面台に一同大喜びでございます!身も心も引き締まる想いです。
また、ベル部の名前とコスチュームも考え中!35個のネーミング候補が上がりました!どれもユニークな名前ばかりでしたが、果たしてどの名前になるのか?来週ぐらいには、明らかになりそうです。
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「美術館の方々、本当にありがとうございます。大切に使わせていただきます。」
 
 
6月2日(土)
<ジブリに入って感じたこと その3>
美的センスの良いスタッフが多いこと。
自分なりの好きなデザインがはっきりしており、洋服や小物類など、とてもオシャレな方が多いなぁというのが印象です。全部署のジブリスタッフの方々を見ていて感じることは山ほどありますが、特に思うことは、
①時間の使い方が本当にうまいこと!
②オンとオフの切り替え方が素早いこと!
③集中力が並外れていること!
④自分で自分の力をコントロールできること!
⑤何よりも、自分自身をちゃんと分かっていること!
つまり、どうすればいつまでも持続して集中できるのか、ということを個々に知っている方々が多いということです。私も、是非ともこれらを見習わせていただきたく存じます。
◆☆今回限りかもしれない?!スタッフの私服を大公開☆◆
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「頭からつま先まで光るセンス☆
和とジーンズのコラボでさりげないお洒落を演出◎」
 
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「不思議なデザインで光るセンス☆
アジアンチックで爽やかな白がポイント高く演出◎」
本当は、もっともっと紹介したいスタッフは沢山おりますが・・・
全員とはいかず残念です・・・。
 
<こちら広報部から>
宮崎吾朗監督の講演会が同志社女子大学で行なわれる。2時間の講演会は、「ゲド戦記」の話あり、家庭などのプライベートな話ありの充実した内容で、参加者の満足度も高かったように思う。ただ、女子大での講演ということで、出席者は99パーセントが女子。記録用に写真を撮ろうかと思ったが、変な人と間違えられると困るので同行した広報の永見さんにお願いする...。
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「立派な演台のため、座ると顔が隠れてしまうため2時間立ったままだった。お疲れ様でした」
 
あと、特別に先行して「ゲドを読む。」の単行本を配布したのだが、みんな熱心に読んでいてくれたので、ちょっと嬉しく思う。女子大ということで、好きな色を選ばせると赤とピンクが大人気で、青や、特に黒は全く人気がなかった。6日に全国で配布が開始されても、赤やピンクをゲットするのはかなり難しいかもしれませんね。
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「実際に本が出回るとなると、反応が気になります!」
 
 
6月4日(月)
早くも1年の半分近くが経ってしまった。やはり長編映画を作り始めると半年、一年なんてアッという間に感じてしまいます。とはいえこの間、スタッフ全員が一生懸命日々の作業を積み重ねているおかげで、映像も少しずつ出来上がってきています。しかし、絵コンテがすべて出来ていないために、全体のどれだけ進んでいるかは未知のままなのです。絵コンテは、今年の初めにCパートが完成して以来、続きがなかなか出来上がってきません。監督は相当苦しんでいるようです。もちろん、急かしたところで出来上がるものでもなく、ただひたすら待ち続けるしかないのですが、後のスケジュールを考えると不安になるのも事実です。絵コンテ完成はいつになるのやら・・・。
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「すっかり6月ですね。ジブリにも紫陽花咲きました。梅雨入りは遅れてますが...」


6月5日(火)
昨晩に制作・渡辺のパソコンのハードディスクが突然クラッシュしてしまい、システム管理にお願いをしてハードディスクの入れ替えをしてもらう。外出先から戻ってみると無事パソコンは動いており大方のデータも戻っていたので、早速、メールを起動させてみたところ、なんと2週間前までのメールしか残っておらず、アドレスも予定表も消えたままなのだ。システム管理の北川内さんに聞いてみると、以前のハードディスクはかなり損傷?が激しくすべてのデータを救出するのは困難を極めるとのこと。バックアップを何も取っていない渡辺は明日のスケジュールさえ記憶しておらず途方にくれていたところ、何とかしてみましょう、と北川内さんが救出作業に入ってくれ、悪戦苦闘の末に過去のメールと予定表を救い出してくれたのです。いや、本当に助かりました。ありがとうございます。この電脳社会において持つべきものは優秀なシステム管理者ですね、本当に。

 
6月6日(水)
昨年から今年にかけてジブリのスタッフが手伝っていた高坂希太郎監督の「茄子2・スーツケースの渡り鳥」が完成し、そのスタッフ試写が社内で行われました。誤解のないように言いますと、完成はもっと以前にしていたのですが、ジブリは「ポニョ」の制作に入っていたため、案内された試写会に参加できなかったのです。そのため「茄子2」のプロデューサーにわがままを言い、社内で出来るように手配してくれたのです。豊○さん、ありがとうございます。この作品はDVDでの発売になるとのことです。詳細はまだ決まっていないそうですが、発売の折にはぜひ購入して観てください。高坂さんはじめ、スタッフ皆さん、お疲れ様でした。(CGを効果的に使って描かれる自転車レースが迫力満点でした。なぜだか、ルパンが好きな人には是非観て欲しいという噂も...)
 
「ゲドを読む。」の配布開始日ということで、新宿紀伊国屋書店前に関係者が集まる。朝日新聞や日本テレビも取材に来ていたのだが、何せ摂氏27度近くもある夏日だったために、とにかく暑い。スタッフもすっかり脱水症状気味で、日陰を求めてウロウロ。そんな中、黄色いTシャツで頑張っていただいたスタッフや書店の皆さん、本当にありがとうございました。おかげで、新聞やテレビで大きく紹介していただけました。準備していた1万部の「ゲドを読む。」は夕方には無くなってしまったそうです。皆さんの手元にも無事、渡ったでしょうか?
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「紀伊国屋店頭の様子。本当に頭が下がります。」
 
PD室の白木さんが、「きゃー」と騒いでいる。何かと思ったら、「大変です。6月6日の6時にヤマハさんがいらっしゃいます!」つまり白木さんは、6が三つ並んだ“666”を恐れているらしいのだ。またまた、「きゃーきゃー」というのでなんだろうと思ったら、「さらに、6人でいらっしゃいます!!」とのこと。「でも、安心です。6が4つだから“ムシ”しましょう!」との新解釈が飛び出し、自ら納得していたようだった。いつも明るい白木さんである。
 
 
6月7日(木)
ネタがないときのネコ頼みのようになってきましたが、郵便物の番をするウシコです。
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「日光の“眠り猫”ではありません。念のため」
 
 
6月8日(金)
ひっそりと東京・六本木の国立新美術館内のショップ内で展開されている「宮崎吾朗の内側」という写真展示を広報部のタムチンが見に行く。展示内容はともかく、そこで「ゲドを読む。」が配布中だったので、「たくさん残ってるなー」と2冊持って行こうとしたら、後ろから「お客さま、1冊にしてください」と呼び止められてしまったらしい。たとえジブリの社員であっても、ひとり一冊は守ってください。たくさんの人に渡るように、ご協力お願いします。
 
 
6月9日(土)
作画で飼っているナマズくんの水槽がムーディーになりました。とはいっても照明ではなく水そのものが青くなっているのですが、実は、薬のせいなのです。最近、新しい水槽に移したときに水も取り替えたのですが、なかなかその水に馴染めずに苦しがっていたのです。このままでは衰弱してしまうので、作画の田中さんが薬を買ってきて入れてくれたという次第。これで少しは落ち着いて過ごせると良いのですが・・・。
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「確かに、ムーディーです」
 
 
6月11日(月)
制作サンキチより来週末に行われる炊き出しの告知が掲示板に張り出される。今回のメニューは素麺と混ぜご飯との事!!まだまだ先の話だが、炊き出し番長のサンキチは道具を揃えたり、予算を立てたり、材料のリストを作ったりと忙しそう。スタッフ約100人分の材料を考えるのはなかなか大変なんです。
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「スタッフの皆様当日はお腹をすかせてお待ち下さい」
 
 
6月12日(火)
今日は週いちの制作会議の日・・・の予定だったのだが、制作部の長、渡邊が多忙の為なかなか会議をする時間が取れない状況が続いています。
制作会議とは、各自担当の仕事の状況や今後の問題などの解決策を話し合い、互いの情報を確認の意味で交換する大切な会議です。当然今は「ポニョ」の話がメイン。各部の担当者が先週の上がりの状況等話し合い、数字に絶望感を覚えながら公開予定日を目指し作業を進めなくてはいけません。この会議、公開日が近づくにつれて明るい話はどんどん影を潜めていきます・・公開は約1年後!現在の進行状況を見ると年末には間違いなく制作会議は修羅の場となりそうです(笑)
勿論そうならないよう進行しなくてはならないのですが・・・。
 
 
6月13日(水)
サイドをこすってしまったため修理に出しているプレマシーの代車として借りている車を、スタッフがまたまた運転中にこすってしまう。プレマシーの修理は終わったのだが、それと引き換えにこすってしまった代車を返却するのはあまりにも申し訳が無く・・・しかし、寛大な目で見て下さったマツダのディーラーの方々、本当に申し訳ございませんでした。
修理の終えたプレマシーを持ってきて下さり、ぶつけてしまった代車を乗って帰る姿を見守る制作スタッフ一同!本当に頭が上がりません。

梅雨時の風物詩、“びわ”の差し入れが鈴木さんのもとへ届けられる。それも、ご覧のような立派なびわ。こんな見事なびわは、殆んどのスタッフが食べたことない。ツヤといい大きさといい、本当に見事。食べると、ジューシーで本当に美味しかった。ただ、「昨日、千疋屋で買って帰ったら、一箱6300円でした!もちろん、進物用ですけど...」とあっけらかんと即座に答えた、広報永見さんだけは、食べたことがあるに違いないというもっぱらの噂です。
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「イバラード時間のHP打ち合わせ中に差し入れられた枇杷」
 
 
6月14日(木)
関東地方もようやく梅雨入り。平年よりずいぶん遅いらしい。アジサイの花もこころなしか嬉しそうである。ただ、明日からはしばらく雨は降らないらしくて、ちょっと水不足が心配な今年の梅雨なのである。

今日はベル部の練習日。いつものメンバーが時間になるとおもむろに席を離れて練習場所の試写室に向かう中、制作部の渡邊さんは何故かギターを持って試写室に向かっている。
ベル部にギター?
当然の疑問だが何やら渡邊さんのギターソロの前奏から入る曲を練習中との事。不思議な組み合わせだが、どのような曲になるのか楽しみである。
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「ベル部の練習風景!手前がベル部の面々。奥にギター演奏中の渡邊さんが」
 
 
6月15日(金)
案の定、今日は良い天気。昨日の雨で空気の汚れが洗い流されたせいか、空が青く、緑がまぶしい。1スタ屋上の植物も元気に育っていて、なんだか、里山みたいに見えませんか?
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「どこかの野山ではないのです。空中庭園です」
 
今日は作画部で使用している鉛筆の在庫整理をする。
ジブリで使っている鉛筆は文房具売り場に置いてあるような普通の鉛筆ですが、普通の鉛筆と色鉛筆、合わせると相当な種類の鉛筆が有ります。ご覧のように、HBの鉛筆から6Bの非常に濃い鉛筆まであり、色鉛筆も様々な色を取り揃えています。
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普通、学校や会社では、HBやBの鉛筆が多く使われているのではないでしょうか?
ジブリの原画マンは自分の使いやすい濃さの鉛筆を使います。クリンナップ(清書)をする動画マンは基本2B~4Bの鉛筆を使用しています。
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色鉛筆は同じ色でも軟質と硬質があります。こちらも基本使いやすい方を使いますが軟質を使う人が多いです。動画ではキャラクターのカゲの部分など指定の有る箇所については指定された色鉛筆を使わなければいけません。鉛筆達と長く付き合っているアニメーターは自分の使いやすいように鉛筆を何本も繋げて自分の描きやすいサイズまで大きくしたり様々な工夫をしています。まさしく職人芸ですね!
 
今日をもって、1年半の出向を終えて、某国際的企業に戻ることになった広報部、永見さんの送別セレモニーを3スタで催す。永見さんの持って生まれた明るいキャラクターのおかげで、3スタはいつも笑い声に溢れた楽しい部署となりました。「ゲド戦記」公開の目まぐるしい日々も、永見さんのおかげで見事に乗り切れたし、殺気立ち勝ちなスタジオの雰囲気も随分救われたように思います。これからも、某国際的企業とのお付き合いは続きますので、いつでも遊びに来てください。
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「お花とプレゼントをもらって嬉しそう。長い間、ありがとうございました!」
 
 
6月16日(土)
水槽の方に目をやると毎回同じ場所で怪しげな行動をしているナマズ君。
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外に出ると意外に大きいナマズ君!
毎回同じポジションに!
いったい何がそこにあるのか気になります。
 
 
6月18日(月)
早いもので「ポニョ」が作画INして約8ヶ月が過ぎました。
もう少しで制作期間は折り返しを迎えます。
現状の実績は、
 レイアウト...(663cut)
 原画......(409cut)
 作監......(301cut)
 動画......(258cut)
 美術......(331cut)
 仕上げ.....(181cut)
 撮影......(153cut)

これから熱く苦しい夏本番。夏バテと中弛みが出やすく、スタジオの生産性も下降気味になりやすい季節です。この時期「まだ半分以上も制作期間があるし」と思っていると追い込みの時に地獄絵図が待っています。ここから追い込みを迎える初冬までが作品の質とスケジュールを左右する最重要シーズンです。この時期、酷暑に負けないスタジオのムード作りが制作の一番の仕事だと思っています。
 
実は、先週の土曜日から広報部の“うっきゃあ”こと西村さんが産休明けで復帰している。今日は、久々に広報部全員が揃ったということで、広報部打ち合わせを行なう。この一年、いろいろ出入りがあった広報部なのだが、結局は以前と同じメンツが揃ったわけで、しばらくはまた楽しくやっていきたいと改めて思う。“うっきゃあ”復帰おめでとう。またよろしくお願いします。
 
 
6月19日(火)
この日、橋本晋治さんの絵本「ゆっちゅとめっぴとほしのゆうえんち」に関する北日本放送の取材がまとめて行なわれる。出版部の田居さんや発売元のゴマブックスの鈴木さんの取材のほか、仕掛け人であるジブリの鈴木さんの取材もご覧のように行なわれた。田居さんには前日の夜、「明日は取材ですね。おめかししてきてください」となんとなくプレッシャーをかけてみたのだが、「上半身しか写らないわよね」といってなにやら考え込んでいた田居さん、果たして今日のお洒落はどんなだったのだろう。また、鈴木さんは、いつもの様子で、ぶっつけでインタビューをこなしていたのだが、最後には、「今度は映像化するお金を出してください」とTV局に対してちゃっかりおねだりするのを忘れない鈴木さんなのであった。
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「僕は、制作ワタナベです」
 
~たまにはウシコ~
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「屋上に上がってきたウシコ。ペットボトルはネコよけじゃないの?」
 
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「微妙な距離をとってお昼寝。やっぱり苦手なのかも...」 
 
6月20日(水)
本日、プロダクションI・Gから押井守監督の次回作「スカイ・クロラ」の制作発表が行なわれる。実は、この「スカイ・クロラ」のプロデューサーはジブリで長年、プロデュサー補や制作部をしていた石井くんが務めている。「ゲド戦記」で沢山の苦労を共にし、熱い制作観をぶつけあった間柄なので今も度々食事に行き、お互いの近況を話し合っている。今回、「スカイ・クロラ」は若者を、「崖の上のポニョ」は子供をメインターゲットに据えているので、自然と話も今の世の中の話になる事が多い。押井さんも宮崎さんも互いに転機と考える作品が、2008年にどの様な形で劇場公開されお客さんの支持を受けるのか、今からとても楽しみです。
 
この日の夜、井上直久さんが監督を務めた「イバラード時間」のホームページhttp://iblardjikan.jp)が開設される。井上さんの画に音楽とCGとアニメーションが加わりとても奥深いものになったこの作品。実は、この「イバラード時間」のアニメーションのキャラクターの色は、なんと井上さん自身が色指定をしているのです。
この色指定の作業で、井上さんは従来のアニメーションとは違った色指定をされている。本来、色指定とは色の整合性つまりそのキャラクターについていておかしくない色を指定するのが大前提。しかし、井上さんの色指定はわざと部分部分で暴れる色(本来ありえない色)を配色するというものでした。
以下はその一例です。
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女の子のスカートや足の部分が、明るい色(ノーマル色)と暗い色(影色)にわかれています。その二つの色を分けている線の色にご注目下さい。本来この線は、暗い色(影色)と同色にして線を目立たないようにする事を前提に描かれた線です。ですが、この線の色を井上さんは全く異なる色で色指定しています。キャラクターだけのこの画をみると違和感を感じますが、井上さんが描いた画の上にキャラクターを乗せると、これが見事に画と調和のとれたイバラードの世界の住人になります。逆に従来のやりかたで色指定をすると井上さんの画の上ではキャラクターが浮いてしまい、井上さんの画の上に乗せただけの女の子になってしまいます。この色指定のデータが井上さんから送られて来た時の作画監督の小西さんの驚嘆がそれを物語っていました。
是非、皆様にホームページを訪れると共にご家庭でイバラードの住人になったキャラクター達をみて欲しいと思います!!
 
 
6月21日(木)
スタジオジブリは時々、いろいろな理由から自分たちの作品ではない映画を応援することがある。今年の夏についていうと、「特攻TOKKO」というドキュメンタリー映画を応援している。この作品は、ジブリが大変お世話になっているリンダ・ホーグランドさんという女性がプロデュースと脚本を担当しているのだ。リンダさんはジブリ作品の英語版の翻訳の仕事や海外キャンペーンに出かけた時の通訳などで活躍している大変アグレッシブな女性。よって、鈴木プロデューサーから「宣伝に協力せよ」という特命が広報に下り、こうして今日は配給・宣伝を行なっているシネカノンさんを訪ねたのだった。
行ってみて驚いたのは、シネカノンさんは、これまたジブリ美術館ライブラリーチームが大変お世話になっている渋谷ブックファーストの対面のビルにあり(今年の夏も絵本のディスプレイが予定されています)、「アズールとアスマール」上映のシネマアンジェリカもそう遠くない。なんだか不思議な縁のつながりを感じる訪問だった。
 
~ここから少しだけ宣伝です~
みなさん、「特攻TOKKO」という映画は一見の価値ありです。特に、若い人たちには、戦争の真実を知ってもらうために、是非、ご覧になることをお薦めします。「アズールとアスマール」と同じ、7月21日公開です。
最後に鈴木さんの「特攻TOKKO」に対するコメントを紹介します。
「特攻と聞いて、今さらながらと思ったが、映画を見て驚いた。これまで、いろんな特攻の”生き残り”を見てきたが、こんなジジィたちには初めて出会った。 ふたりで出撃したけど、途中で飛行機がだめになったので、「もう帰ろうか」「大賛成、帰ろう、帰ろう」と相棒と話し合い、からくも生還して戦後を生き抜いた男たち。 よくぞ、現代に、こういうジジイたちを見つけたものだと、この映画のスタッフの努力と献身に頭が下がった。」
 
 
6月22日(金)
「崖の上のポニョ」のラッシュが行われる。ここまでAパートのカットがほとんどを占めていたラッシュもBパートのカットが増えてきていて、制作序盤にみられる細かな調整の為のリテークもここ最近はほとんど無くなり、作業が本格的な生産体制に入ってきている事を実感します。それにしてもラッシュでは、ポニョの屈託の無い無邪気さに日々の疲れを吹き飛ばしてもらえるのでラッシュ後はなぜかとても元気になります。制作しているスタッフでさえ魅了され癒されてしまうポニョというキャラクター・・・おそるべしです。
 
 
6月23日(土)
今日は、制作部による炊き出しの日。炊き出しメニューはそうめんと混ぜご飯で、炊き出し番長は日誌でお馴染みのサンキチ。炊き出し初の麺類に悪戦苦闘しながらもとても賑やかな炊き出しになりました。
今年は猛暑の上を行く酷暑という事でスタッフが夏バテしない様、山盛りに薬味を入れて食べてもらいました。差し入れで貰ったスイカもお目見えして、夏先取りの味にスタッフも大満足した様です。

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「これだけの大人数が麺をすする音は爽快です!」

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「きれいに無くなりました!奥に居るのはカントク。おにぎり作っているのか?」
  
 
6月25日(月)
今朝から天気はすぐれず、空は雨模様。梅雨は気まぐれに、働いたり休んだりを繰り返しています。
そんな不安定な空模様を吹き飛ばすかのように、原画の稲村さんが、お友達さんから戴いたというキュウリやらトマトやらダイコンなどを、持ってきてくださいました!早速、氷水に新鮮なキュウリを入れて、そのままお味噌でいただくことに。みずみずしいキュウリと味噌がマッチして、皆さん満足そうでした◎
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「生キュウリ、最高!皆の手が伸びます。」
そして、そして、宝石のように美しい、さくらんぼも届きました!ありがとうございます◎
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「あまくて、あまくて、とっても美味しいさくらんぼ♪」
下の写真はというと、先日の炊き出しに出されたスイカの皮で、漬物にしているスタッフが・・・
ピカ○ュウが重石の代わりだそうです〔笑〕
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「美味しくできたかな?」
 
この日、海外事業局の武田さんが主催している英語教室、通称“ミキNOVA”主催の片塰さんの送別会が催される。片塰さんは、ジブリのCG部を支えてくれたジブリの達人の一人だったのだが、このたび、惜しくもジブリから旅立つことになったのだ。送別会の場所は、大奮発してあの中華の名店、「南国酒家」。フカヒレや北京ダックも出てくる豪華コースだ。今日の会の中心の片塰さんは、ひげのせいもあって、まるで、将軍様のよう。「将軍様、飲み物はいかがなさいますか?」「将軍様、デザートはよろしいですか?」などと、とにかく将軍ネタで盛り上がった一夜であった。将軍様、本日の宴、満足されましたでしょうか?
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「メニューを吟味する将軍様と女官の様子」
 
 
6月26日(火)
役者に演技を付ける原画さん。一つ、一つの微妙な動きの差で、キャラクターの性格は一気に変化します。
ほんのわずかな腕の上げ下げであったり、動きの早さであったりと、そのちょっとした違いが、実は大きな影響を与えているのです。演技を付けることは大変難しいことですが、しっくりくる動きや表情などを付けることができたときの喜びは、それはそれは大きなものです。
幸運なことに、ある原画さんが試行錯誤している過程を垣間見られたことによって、その面白みを知ることができました。(キャラクターのちょっとした身体の傾きによって、その人物をたくましく見せたり、優しく見せたり。)
そして、その原画さんは、納得のいく動作と表情を付けることができるまで、じっくりと向き合っていました。キャラクターの性格をしっかりと理解していなければできない、難しいお仕事だと改めて感じました。
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「何度も動きを確認する原画さん、納得するまでとことんやります!」
 
海外事業局の武田さんが、“恐竜の卵”を入手して、育て始めた。「もうすぐしたら、私の恐竜が嫌いな奴らを全部ガブ飲みしてくれるから!」と楽しみにしていたのだが、運悪く海外出張に出なければならなく、後ろ髪を引かれる思いで、ジブリをあとにする。後は、制作業務の長澤さんにゆだね、写真をとって報告するように言い残して旅立つ武田さんだった。
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「孵化が始まる。ご覧のように、ナガコは職務を全うしております」
 
この日の夕方、映画監督の岩井俊二さんがジブリを訪ねる。久しぶりのジブリの様子(映画「式日」主演以来の縁なのです)で社内を見学していたところ、偶然、高畑監督に出くわす。そう、この二人は知る日とぞ知る、“親戚”関係に当たるのです(どういう関係かはよく知らないのだが...)。高畑監督を尊敬している岩井さんも嬉しそう。高畑監督も楽しそうに、出たばかりの自著「漫画映画の志」を渡して嬉しそうだった。
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「貴重なツーショットです」 
 
 
6月27日(水)
ジブリのトイレに健康器具が仲間入りしました。管理部の方々がスタッフの健康を考えて設置してくださいました〔涙〕ありがとうございます!!
この器具は、ふくらはぎやアキレス腱を伸ばしてくれるものなのです!
1日1~2回、1分間程度台に乗るだけで、ふくらはぎを鍛えることができ、眠気まですっきりさせてしまうというすぐれもの◎
しかも凄いのは、4段階まで角の大きさを変えられるので、お好みの角度でふくらはぎを伸ばし放題♪という点です。
この器具は大人気で、トイレの度に利用しているスタッフをよく見かけます。お陰で来年の健康診断では、今年より成績の良いスタッフが増えることでしょう☆
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「そうそう、姿勢を正してね◎」


6月28日(木)
ようやく、ベル部の名前が決まりました!
大健闘の末決まったネーミングは『HABU』です。
『HABU』とは、ハンドベル部のハと部で『ハブ』です。
極めて最小限に略した名前になりました〔笑〕
また、ハブはハブでも、少し伸ばした言い方にすると「ハーブ」となるため、部員の名前をハーブのコードネームで呼び合うことにもなりました。
例えば・・部長はパセリ、部員はどくだみちゃん・レモングラスちゃん・バジルくんなど個性派揃いです〔笑〕
今では仲間が11人に増えたため、きっと11種類のハーブがいい匂い(音色)を出してくれることでしょう。どんな料理(演奏)になるのか楽しみです。
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「これが、HABUマークです♪」


6月29日(金)
本日も、23カットのラッシュがありました。今回の作品は、色味が全体的にほんわかしていて優しさで溢れているなぁと個人的に感じています。
そして、何と言ってもキャラクターに色を付ける「色彩設計」のお仕事は本当に凄い!
登場する全てのキャラクターの適切な色がどれなのかを探り当て、尚且つ、誰もがその色こそがそのキャラクターにぴったりだと納得します。
そのような重要な役割を成し遂げてくださるのが、ジブリで絶大な信頼を寄せられている保田さんなのです!
今作品のポニョでも保田さんの色魔法が存分に発揮されています。気が遠くなるような生き物一つ一つの個性をしっかりと理解しているからこそ、にじみ出せる奥深い世界が、そこには広がっています。そして、その色を正確に仕上げてくださる仕上げ部のスタッフのお陰で、やっとキャラクターに色が付くのです。動画の動きももちろんですが、ぜひとも『色』にも注目していただきたいと思います。
 
育休を取っていた、机さん、西村さんのダブル復帰、退職したはずの西方さんの出戻り復帰、某国際的企業から出向で来て下さっていた永見さんの任期満了に伴い、三鷹市にある「馳走屋」で歓送迎会が行われました。
懐かしい顔ぶれが揃うのは嬉しいことですが、一方で親しくなった方とお別れしなければならないのはとても残念です。お世話になった永見さんに、野中局長より花束が贈呈されました。
用意したのは、なんとバラ30本!
当初は100本で計画していたのですが、幹事である広報部の伊藤くんが綿密な調査をしたところ、「お持ち帰り」が不可能な重量であることがわかり、泣く泣く断念しました。
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永見さん、あなたには広報部のみならず、スタッフ一同感謝しています。一年半の出向、お疲れ様でした。ありがとうございました。そして復帰組のお三方、特に母となったお二人は、家庭との両立が大変だと思いますが、これからまた一緒に頑張って行きましょう。 (以上、ナガコ筆)
 
ちなみに予断ですが、永見さんはこの日のために一時間半も並んで、今話題の“あのドーナツ”を買ってきてくれました。並ぶ根性のない私たちにとって何よりのお返し、大盛り上がりでした。
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「本当に盛り上がっている!? ちなみにドーナツをデリバってるのは宮坂さんです。店員ではありませんが、何か?」

というわけで、6月も終わります。今年もいよいよ折り返し地点に来てしまったというわけです。ポニョの完成まで、ついに一年を切ろうとしています。果たして!?