2003年6月

6月2日(月)
 定例の制作会議、6月の始めなので5月の反省を踏まえて行う。

 神村氏のパソコンは、どうやら完全に壊れてしまったようで、メーカー送り修理が必要との事。修理には1週間くらいかかるとの見込み。しかし、事前に北川内さんがデーターを拾っていてくれたので、後は、代用のパソコンがあれば・・・。

6月3日(火)
 壊れてしまった神村氏のパソコンの代用を、どうしようかと考えていたところ、望月氏が以前神村氏の使っていたパソコンを調達してくれました。これで取り合えずデーターの更新とメールのやり取りは、無事行えそう。

 土曜日に作ったカレーが当然残っていたので、昼と夜はカレー三昧。

 「天声慎吾」の新オープニングの参考に韓国の「チゲナベ」を取材?みんな満足そうに戻って来たが、本当にちゃんと取材したのだろうか?結果は、オープニング見てください。


6月4日(水)
 ポストプロダクションがまたまたお引越し。今年になってもう二度目。今年中に後何回あるかのかなと、みんなで噂していた。

 月曜・火曜とバタバタしていたので、今週は遅めの原画さん回りを神村氏がしていた。


6月5日(木)
 スタジオの前にある、鉢が朝来ると無い。なんと盗まれたようだ。しかも、水をいれているので結構重いはずだが。盗みはれっきとした犯罪ですよ。今ならそっと戻してくれれば怒りません。

 名前はあえて伏せるが、ジブリのスタッフがなんと「バンド」作ろうとしている。そこでまず、勇士が3人程スタジオに行きちょっと演奏。しかし、あまりにも久しぶりなのでまるで駄目だったようだ。これから定期的に練習を行うそうなので、それまで期待して待つことに・・・。

 レイアウト・原画共にある程度順調なので、そろそろ二回目の作打ちを考えなければ。残りの状況を見つつ作打ちの準備をしなければ。

 草屋にできた新しい部署が決まる。その名もイベント事業課。

 現代美術館の立体造形物展の打ち合わせに行くが、ちょいと覗いた展示場の巨大なハウルの城があまりに巨大なので思わず口があんぐり。しかも質感等々出来が抜群。これだけでもみる価値あり。


6月6日(金)
 明日、作画打ち合わせを行う新人原画さんに、状況確認。何とか終わりそう。

 ハーモニー原画が出来上がってきたので早速、居村・斎藤両氏がマシンがけ。しかし、これが横に長いためなかなか綺麗に仕上がらない。そこで、居村氏が裏技を披露。見事にくっきり綺麗に仕上がり無事終了。日増しに上手くなるなー。

 「海がきこえる」DVD特典映像のナレーション収録が行われる。里伽子役の坂本洋子さんが担当するということもあり、監督の望月さんも来社。


6月7日(土)
 11時より新人原画さんの2回目の作画打ち合わせ。宮崎さんに前回の上がりの悪いところを注意されながらの打ち合わせとなる。
 原画の打ち合わせが無事終わったが、ふと残りのコンテ状況を見ると後わずか。しかし、今月は、まだ数人の原画さんが手が空く予定。早くコンテが欲しいと願う神村氏であった。


6月9(月)
 1時に作画監督の手伝いをお願いしようとしている、○○さん来社。早速双方の詳しい情報交換を行う。

 江戸東京たてもの園の千と千尋展に展示してあったオスカーを現代美術館に移送する。電車はちょっと、ということで車で移送したのだが、橋田さんの旧型フォルクスワーゲン(カブトムシ)で運ぶということで、心配する人多数。しかも橋田さんの「高速はエンストすると困るので一般道を行きます」との発言にますます不安倍増。しかし多くの人の心配をよそに無事現代美術館に到着。


6月10日(火)
 美術ボードが溜まってきたので、一通り宮崎さんにチェックしてもらう。一部色使いの事で注文が出たが、ほぼOKなので制作としては、一安心。

 朝、会社に来ると道端で、子猫がうろうろしている。あまりの可愛さに、少し見とれてしまう。しかし、この子猫一体何処から来たのだろう。


6月11日(水)
 今日新人原画さんから「今週で終わりそうだ。」と言われる。予定より思いのほか早く上がりそうなのだ。本来なら大喜びといったところだが、コンテが無いのでトホホ状態。早くコンテが欲しい・・・。

 昨日帰り際まで玄関先で、誰を待つでもなく、ずっと座っていた子猫。今日は一日見当たらない。誰かに拾われたのならいいが、事故に遭っていないだろうか?心配だ。


6月12日(木)
 月に一度の全体ミーティング。ところが制作神村氏は見事に寝坊してしまう。言い訳は、最近寝つきが悪いとの事。皆から、「運動して、体を動かせ」と怒られる。「確かに最近全然運動していないなー」とは、神村氏の弁。

 今週は、原画の上がりがどうも・・・。夕方、原画さんに聞いて回る。


6月13日(金)
 昨日から、パラパラと休む人が。どうやらここ数日の天気に体の調子を狂わされたようだ。しかし、夏はこれから、体に気をつけて頑張って下さい。

 制作の入口に積んでいたダンボール箱等の紙ゴミを片付けるが、確かつい最近も同じような事をしたような。仕事がら仕方ないが、本当に紙ゴミの多さと溜まるスピードには、驚きます。

 東京都現代美術館で「ジブリがいっぱい 立体造形物展」の内覧会 & レセプションパーティが開かれる。石原都知事が来るので、どんな予定外の行動をするかとドキドキしたが、何事も無く無事終了。


6月14日(土)
 仕上げルームの模様替えを試みる。倉庫にしまってある使わなくなったパーテーションを引っ張り出し、いざ、配置。とおもいきや、足が有ったり無かったり、しかも、昔の床用ワックスがこびりついていて、ネジが回らないものまである。あえなく後日業者さんに来てもらう事に。

 今週の上がりがいまいちだったので、夜、神村氏が残っているスタッフに進行状況を聞いて回っていた。
 東京都現代美術館の「ジブリがいっぱい 立体造形物展」が本日オープン。


6月16日(月)
 朝一番で宮崎監督が「途中までだが」と絵コンテを持ってくる。待ってましたとばかりにコンテを大量コピー。先週で手持ちの原画が終わりそうな人が3人程いたので、早速午後から作打ちを行う。神村氏ホッと一安心。

 上がった絵コンテを制作一同で読むが、なんとなく予定より長くなりそうな予感が・・・。

 ジブリ自転車乗りのための新ユニフォーム案を宮崎監督に見せるも、「地味だな~」と直しが入る。もうちょっと派手にしようっと。


6月17日(火)
 11時より、上がった分のコンテの処理打ち合わせを行う。随分久しぶりなので、なんだか新鮮な感じがして、和やかな雰囲気のうちに無事終了。

 夜遅く、原画さんからラフのレイアウトが上がったので回収をとの電話。上がりを回収し、演出の山下さんと作画監督の稲村さんに見せると、二人とも思わず笑ってしまうほど強烈なレイアウトが。しかし、あまりに凄い描写なので今後の展開を考えると、素直に笑えない制作であった。


6月18日(水)
 「天声慎吾」の取材が朝から入る。取材といっても、カメラクルーが来て、打ち合わせの状況を撮影するだけなのだが。しかし、こんな時に限って、コンピューターの調子が悪い。制作の斎藤君があっちに行ったりこっちに行ったり大慌て。

 劇中に出てくるハウルの部屋の中が凄いことになっている。余りにも小物が多い為、何をどう処理するのか見当もつかない。結果は劇場で見てください。


6月19日(木)
 「ハウル」のCパートをお願いしていた原画さんがようやくIN。早速作打ちを行う。

 原画をお願いしている原画さんが、入り始めて早5ヶ月。机の数が怪しくなり始めたので、倉庫に行き、残りの机の数をチェックしてみると、なんとまだ17台有りました。しかし、この机、1st時代一体何処に入っていたのだろう。

 美術の増山さんが、「リカンベント」という、仰向きに寝そべってペダルをこぐ自転車に乗ってくる。その余りのスタイルの素晴らしさに会社の前にスタッフが集まりしげしげと眺めていた。


6月20日(金)
 アニメーションには、組線と言う物があるのだが、ジブリでは、それを今でもトレスマシーンでとっている。(コピーみたいに、セルに転写する機械です。)その反応が悪くなってきたので、居村君が分解掃除をすることに。しかし、一度だけ分解掃除を見ただけなので、おっかなびっくり作業を行う。無事作業終了後、綺麗になったトレスマシーンを見てご満悦。


6月21日(土)
 今週は、作打ち後のレイアウト上がりが大量に上がったが、その代わり原画上がりが落ち込んでしまった。作業上当然のことだが、チェックノートを見るとなぜか寂しい。

 打ち合わせ用に買ったお弁当が余り、制作の渡辺・神村両氏に渡される。神村氏は当然食べたが、只今人生?回目のダイエット中の渡辺氏、暫く躊躇したが、開き直って食べることに。しかし最後の良心で3品有るフライ物の2品だけ食べて1品残す。たいした差は、無いと思うのだが。


6月23日(月)
 神村氏の壊れたパソコンが修理から無事生還。早速代用のパソコンとのデーター交換を望月氏にお願いしていた。

 定例の制作会議。先々週から原画のペースが少し落ち始めてきている事を報告。原因は1回目の原画が終わりレイアウト作業に入っている人が増えた為。

 ツール・ド・信州に向けジブリ、ジブリ美術館の共同自転車ジャージを作っているが、宮崎監督のチェックが入りつつも、美術館の宮崎館長と何度かやり取りをしてなかなかいい感じに仕上がってきた。いかにも速そうな感じだ(実際はたいして速くないが・・・)。


6月24日(火)
 色々なデーターを更新している神村氏、戻って来たパソコンを使って壊れていた間のデーターの更新をするが、データーが多くて中々思うように作業が進まない。

 ダイエットに励んでいる渡辺氏。昨日、夕方から打ち合わせでしばらく戻ってこなかった。「夕食は、?」と聞くと、「無理やり炒飯を食べさせられた。」といきなりの言い訳。あーもう駄目かも・・・。

 現代美術館の展示を担当していた橋田氏が、今日から久しぶりの休暇で海外へ。ところが何日か前に、移動の飛行機の中に旧ソ連製の航空機があることを、乗り物オタクの某氏が発見。「○ポレフはまずいでしょう。やばいですよ」と橋田さんを含めみんなに触れ回っていたので、「橋田さん大丈夫だろうか?」と妙に心配した声がスタジオに溢れていた。


6月25日(水)
 映画「茄子・アンダルシアの夏」の監督の高坂さんがもうすぐジブリに入る予定なので、とりあえず遊びにくる。半ズボン姿で、自転車に乗って来た。さすがに今年は監督をしていたため、練習時間が取れず、昨年に比べると多少太ったらしい。それでも今年のツール・ド・信州には「ママチャリで出ます」と宣言。まあそれでも登りが結構あるので、ロードレーサーでも勝てる人は少ない気がするけど。

 朝、ジブリの出勤時にあわせた様に、いきなりの大雨。それこそバケツをひっくり返した様。会社に着くころには、みんな足元がびしょ濡状態。それにしても、昼には日が照りだし、又夕方から曇り始め、梅雨時とはいえ目まぐるしい一日でした。


6月26日(木)
 某所用に注文していた作画机が到着。何時も何時も急に注文を入れてすいません。

 宮崎さんがコンテに集中している間に、スケジュール等の見直しをと、制作でデータ整理をする。なかなか厳しいな~。そういえば某映画も公開延期になったとか。我々も引き締めなきゃ。ぶるぶる。


6月27日(金)
 ジブリ出版部が使用している、車の屋根に大きく横に引っかいた様な跡が。重い物を乗せて動かしただの、UFOが付けた傷だの、低いガード下を無理に通っただの色々な事を想像したが、ディーラーに持っていった所、「タワー式の駐車場のトップで擦ったんでしょう」との事。一同納得。しかし、誰がやったのかは、不明。


6月30日(月)
 今日で6月も終わり。今年もすでに半分が過ぎました。来年の今頃は、ゆっくりと初号を見たいと日夜、スタッフは、励んでおりますが・・・。ここにきて、梅雨独特の鬱陶しさも手伝って、作業の方が少しばかり足踏み状態。何とか改善せねばと朝から制作会議。

 出版部使用の車の屋根が擦れていた事故は、保険で直すことになり、保険会社に電話。状態を伝え終わると、先方から、「日時と場所と運転者を教えてください。」と。誰だー出て来い。
 立体造型物展の展示に若干修正を加えるため、関係者が朝から現代美術館へ。とりあえず資料は以前より見やすくなったはず。