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宮崎駿「王と鳥」を語る

自分たちが持っているものは何だろうと考える出発点にもなった。
宮崎駿

 本年6月、宮崎駿監督は、『王と鳥』とその前身である『やぶにらみの暴君』について、月刊「インビテーション」のインタビュー取材を受けました。『太陽の王子 ホルスの大冒険』や初の劇場長編監督作となる『ルパン三世 カリオストロの城』を例にあげ、自身が参加した作品への影響についても言及する宮崎監督は、一方で、この作品がきっかけとなり、自分たち日本人が持ちえない空間感覚を自覚したと言います。それは、宮崎監督にとって、「自分たちが持っているものは何だろうということを考える出発点」ともなったそうです。

 宮崎駿監督は、あるインタビューに答えて、こう発言しています。「僕らの仕事は、前の世代からもらったバトンを、次の世代に渡すことだと思っています」。「王と鳥」と同じ7月29日から全国で公開されるジブリ最新作『ゲド戦記』の監督・宮崎吾朗さんは「王と鳥」を観ていません。しかし、そこには明らかに「王と鳥」の大きな影響を見て取ることができます。宮崎駿作品から学んだのです。父・グリモー、息子・宮崎駿、孫・吾朗。私たちはそこに、受け渡されてゆくアニメーションの精神と技術のバトンを目撃することになるでしょう。


 以下は、月刊「インビテーション」8月号(7月10日発売)掲載の“超”ロングインタビュー「高畑勲・宮崎駿 仏アニメ『王と鳥』をめぐる2つの声」から、編集部のご協力を得て、一部を抜粋させていただいたものです。本誌では、『王と鳥』、『やぶにらみの暴君』との出会い、そこから学んだ世界の作り方と上下移動を活用した演出手法、自身の作品への影響、そして、『やぶにらみの暴君』から『王と鳥』へ姿を変えたことについての、アニメーターとして又、アニメーション映画監督としての率直な意見などが、宮崎監督自身の口から語られています。お近くのコンビニや書店で、ぜひ、お買い求めください!


僕やパクさん(高畑さん)、大塚さんといった不満分子は、チャンスがあったらもっと緊密な、存在感のある世界を創りたいと思っていたんです。その大きな動機をあたえてくれたのが『やぶにらみの暴君』でした。

自分たちでそういう世界を作ろうと始めたのが『太陽の王子ホルスの大冒険』です。串だんご(*)でしたが、そこに出てくる村はきちんと作ろうと。川に向かっての方向性とか、斜面はどちらに向いているかとか、いろいろ工夫したんです。でもいざでき上がってみると、村というのは非常にとらえにくい。やはり平面はダメだと思って、一度密室をちゃんとやりたいと思って、『ルパン三世 カリオストロの城』につながっていくんです。

『やぶにらみの暴君』は非常にヨーロッパ的だとも思いました。こういう舞台を選んだら、こいつらにはかなわない。王の間の床なんか、ヨーロッパにあるモザイクの床ですよ。その上にキャラクターをピッタリ合わせて、奥まで移動して戻ってこさせる。そんな動きをした場合、何度も修正しないと描けないことを僕らは知ってるんです。デジタルのない時代に、狂いのない背景を描いて合わせるというのはすごいことだったんです。また、絵の質についても、僕が持っていないものだと思いました。例えば、王宮の天辺にある屋根のところに羊飼いの娘と煙突掃除の少年が座っている。背景は煙突だけで、空は夜明けの白々とした薄明だけなんですが、息を飲むように美しい。僕にとってあそこは最高のショットで、本当に衝撃を受けました。同時に「これはやっても自分たちには無駄だな」と感じたんです。そういう空間感覚は自分にはない。ならば、自分たちが持っているものは何だろうということを考える出発点にもなったんです。

(*) 次々にエピソードが続いていく作品。例えば、旅をするように物語が進むタイプのものを称して。


月刊『インビテーション』高畑、宮崎両監督が語る映画『王と鳥』“超”ロングインタビュー!全貌は月刊『インビテーション』8月号(7月10日発売)で是非ご覧ください!


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