プロダクションノート |
ひこうき雲 |
2012年12月、鈴木敏夫プロデューサーと松任谷由実によるトークイベントが行われた。そのトークイベントの中で鈴木は、松任谷に「いま作っている作品の世界が『ひこうき雲』にぴったりで、使ったらどうだろうか、と(宮崎監督と)話をしている」と突然公開オファーをして周囲を驚かせた。実はこのときは「風立ちぬ」の制作発表もされていない時期で、スタッフはもちろん、当の松任谷も聞かされていなかったサプライズなオファーであった。そのオファーに対し松任谷も「鳥肌がたちました。このために40年やってきたのかな…」と快諾し、ジブリとユーミンの24年振りのタッグが組まれることとなった。デビューアルバム(荒井由実名義)の中に入っている「ひこうき雲」は松任谷にとっても思い出深い曲。宮崎監督も「映画のイメージにぴったり」と太鼓判を押す。「ひこうき雲」の爽やかな旋律は、映画の余韻をさらに素晴らしいものにしてくれるだろう。 |
こだわりの音 |
今作でSEと呼ばれる効果音を人の声で表現することに挑戦している。 映画制作初期段階から効果音を人の声で作ることにこだわりをみせた宮崎監督。 飛行機のプロペラ音や蒸気機関車の蒸気。車のエンジンの音や関東大震災の地響きの音。さまざまな音が人の声で表現されている。2006年にジブリ美術館で上映開始された短編アニメーション「やどさがし」(原作・脚本・監督:宮崎駿)でも人間の声の効果音を試みているが、スタジオジブリの長編映画ではこれが初めての試みとなる。 あらゆる陸海空の乗り物が登場する今作、人の声から生まれた乗り物や風景の効果音にも注目していただきたい。 ちなみに宮崎監督はあるシーンに関して、自らの声でSEをやりたかったようで、オーディションに参加したのだが、スタッフからの反対に遭い断念したらしい。 |
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