宮崎駿監督作品『風立ちぬ』

プロダクションノート

 
スタジオジブリの文字と天上大風
スタジオジブリ作品でお馴染みの鈴木敏夫プロデューサーによる手書きの文字。多くの作品でタイトルやコピーを書いてきたが、今作は本編の中にもその文字が登場する。劇中で飾られている書の中で、特に宮崎監督のお気に入りなのが良寛禅師の『天上大風』。映画の中に2か所出てくるこの書を鈴木が担当している。
『天上大風』に対する良寛本人による解釈は残っていないが地上には風が吹いていないように思えても、天の上には大きな風(御仏の慈悲)が吹き、見守ってくれていると解釈されていることが多い
「風立ちぬ」のタイトルは「崖の上のポニョ」に続き宮崎監督によるもの

伝道の書
堀田善衞の『空(くう)の空(くう)なればこそ』という書の中に、『凡て汝の手に堪ることは力をつくしてこれを為せ。』という一文がある。これは旧約聖書の伝道の書からの引用で、かつて講演で宮崎監督はこの言葉について「どんな仕事でも、たぶんその瞬間はやってよかったとか、意味があったという瞬間をもっている。それを見つけなければいけないという意味ではないか」と語っている。
今作の中で、二郎は夢の中で出会う航空機設計技師の大先輩カプローニから何度か呼びかけられる。「力を尽くしているかね」と。
宮崎監督が尊敬する堀田善衞の生前最後のエッセイ集に書かれていたこのメッセージ。二郎にとっての人生の師でもあるカプローニからの問いかけは、まるで宮崎監督から現代のすべての日本人に対して問いかけられているようにも思える。
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