「野中くん発 ジブリだより」2019年2月号

 今年はスタジオの仕事始めが1月7日(月)でした。そのせいか第1スタジオ玄関前の門松もその日の昼過ぎには片付けられ、例年より正月気分は初日から薄かったように思います。ただ、1月5日(土)は宮崎駿監督の78歳の誕生日だったので、7日は2日遅れでしたが鈴木敏夫プロデューサーの発案でお祝い企画を事前に準備しており、スタジオに現れた宮崎さんを待ち構えていたスタッフらが一斉に拍手で迎え、サプライズのお誕生日会を催しました。ささやかな会でしたがバースデーケーキは特別製。「君たちはどう生きるか」作画監督の本田雄くんが描き下ろした同作の重要キャラクターのイラストを基に、ケーキ屋さんがチョコレートで巨大なプレートを作り、ケーキ本体にセットしてユニークなケーキを作ってくれました。とても見事な出来で、宮崎さんも気に入り、チョコのプレートは食べないでスタジオ内にしばらく飾ることに。社内の展覧会担当が得意の展示技術できれいに壁に掛けてくれました。現在(1月下旬)も、ピクサーやアードマンから頂いた寄せ書きの額と並んで飾ってあり、宮崎さんのサインも添えてあって見応えのある場所になっています。チョコですからずっとそのままとはいかないでしょうが、もう少し見ていたいですね。

 さて、今年行われるジブリ関連の催しがいくつか、年末から年明けに発表されました。まず舞台の話題が2つ。1つは『宮崎駿の雑想ノート』の1編「最貧前線」の演劇化で、水戸芸術館ACM劇場のプロデュースで夏から秋に全国8か所を巡演予定です。出演は内野聖陽さん、風間俊介さん、溝端淳平さん他。もう 1つは12月に新橋演舞場で上演される新作歌舞伎「風の谷のナウシカ」。漫画版が原作で、ナウシカは尾上菊之助さん、そしてクシャナは中村七之助さん。展覧会「鈴木敏夫とジブリ展」も新たに発表されました。これまで数か所で開催された「言葉の魔法展」をバージョンアップし、内容をよりよく伝える物に改題、4月20日(土)から5月12日(日)まで神田明神 文化交流館「EDOCCO」内 神田明神ホールで開催されます。また、3月2日(土)から10日(日)まで調布のシネマフェスティバルの一環として「風の谷のナウシカ」がイオンシネマ シアタス調布で上映されます。
 
 最後に本の話題を。二木真希子さんの『世界の真ん中の木  愛蔵版』が復刊ドットコムから出ました。大判化で二木さんの絵をじっくり楽しめますね。