「野中くん発 ジブリだより」2018年9月号

 スタジオジブリは8月15日を含む1週間を例年夏季休暇としており、今年も8月11日(土)〜19日(日)がお休みでした。制作部門は新作の公開年は1週間ではなく2週間だったりしますが、今年はそうではないので、小金井のスタジオでは「君たちはどう生きるか」制作スタッフを含めほとんどの人がこの期間、夏休みでした。今年の夏は異常な暑さでしたが、この号が出る9月10日頃、果たして秋の気配をどこまで感じられる気候になっているでしょうか。

 一方、三鷹の森ジブリ美術館は当然ながら夏休みはなく、8月も連日沢山のお客様をお迎えしていました。昨年5月から始まった企画展示「食べるを描く。」展は、この欄でもお伝えした通り期間を延長して11月初めま
で開催予定ですが、3月から始まった新作短編映画「毛虫のボロ」の上映は8月一杯でひとまず終了、現在土星座では9月末まで「めいとこねこバス」を上映中です。それに伴い2階ギャラリーの「毛虫のボロ」展も9月頭に終了し、9月12日(水)から新しいギャラリー展示〝「トトロの生まれたところ」ふるさとスケッチ日記〞が始まります。5月末に岩波書店から出た書籍『トトロの生まれたところ』(宮崎駿 監修、スタジオジブリ 編)は、宮崎朱美さんが描いた、所沢の四季折々の自然や植生の美しいスケッチと日記、宮崎駿監督の「となりのトトロ」のイメージボードと新たなインタビュー、鈴木敏夫プロデューサーによる八国山の写真探訪記などで構成されていて、〝トトロの生まれたところ〞である所沢の自然の魅力が伝わる素敵な本に仕上がっています。お陰様で重版が何度もかかるほど好評ですが、今回は、書籍に収録しきれなかった、瑞々しい野生の息吹が伝わる朱美さんの原画やスケッチブックの数々を展示し、その絵の魅力を改めてご紹介します。ジブリ美術館は予約制。詳しくはホームページをご覧下さい。
 
 最後になりましたが、この夏各地で行われたジブリ関連の展覧会、開催中のものがまだいくつかありますので、この機会にぜひどうぞ。宮崎県立美術館で「スタジオジブリ・レイアウト展」が9月17日(月・祝)まで、広島県立美術館で「ジブリの大博覧会」が9月24日(月・振休)まで、新潟県立万代島美術館で「近藤勝也展」が同じく9月24日まで、そして中国・上海の上海環球金融中心で「World of GHIBLI in China」が10月7日(日)まで、それぞれ開催中です。