「野中くん発 ジブリだより」3月号

 先月お伝えしたとおり、全米で「借りぐらしのアリエッティ」が2月17日(金)に封切られ現在公開中です。この原稿を書いているのは公開直前なので成績はまだ分かりませんが、スクリーン数については先月書いた約1300から直前になって大幅に増え、1500スクリーン以上になりました。

 これはジブリ作品としては過去最大。直前になってここまで増えたのは、映画の評価が高く、現地の関係者がもっと沢山上映するべきだと判断したからです。

 今回も北米での配給はディズニーですが、初期の試写の段階から「アリエッティ」は好評で、しかも"恐らく今までのジブリ作品の中で一番アメリカで受け入れられやすいだろう"という評価でした。そこで今回は宣伝を基本的に現地にお任せしました。そのため、本編はいつも通り一切改変していませんが、宣伝は今まで以上にアメリカ的なアプローチで実施されたように思います。予告編やポスターは随分日本版と違います。また、英語吹替版キャストはディズニーチャンネルの人気若手俳優とお茶の間の人気俳優を起用、親しみやすさと宣伝展開のしやすさがとても高かったようです。また、短い宣伝用映像をディズニーチャンネルやネットの動画サイトでいくつも流すなど、テレビとネットに重点を置いた展開が行われました。日本の公開から1年半以上遅らせたのも、この時期がベスト、という今回の配給スタッフの判断があったからです。また、「崖の上のポニョ」の時と同様に、スピルバーグ作品で有名なキャスリーン・ケネディとフランク・マーシャルのお2人に今回も北米公開のプロデュースをお願いし、素晴らしい働きをしていただきました。

 ジブリ作品は「千と千尋の神隠し」がアカデミー賞を受賞したように、作品自体は高い評価をアメリカ国内でもすでに受けてきたと思います。しかし、ヨーロッパやアジアの国々と違い、興行成績は高いとは言えませんでした。今回、沢山のお客さんに観てもらえたら本当に嬉しいところですが、果たして。

 最後に緊急のお知らせを。三鷹の森ジブリ美術館ライブラリーはミッシェル・オスロ監督の新作「夜のとばりの物語」を今年6月に公開予定(3D&2D)ですが、3月25日(日)、東京国際アニメフェアの中で日本初の特別上映が行われます(2D吹替版)。監督も参加します。詳しくは下記のホームページで。
http://www.ghibli-museum.jp/yorutoba/