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2006年3月29日

第六十一回 ナヨチンでつなぐ

2日間、日誌を休んでしまいました。

現在、制作が佳境に入り、
毎日日誌を更新することが難しくなってきました。
そこで、先週書いたナヨチンという男に、
しばらくのあいだ、代打として書いてもらおうと思います。
彼は映画『ゲド戦記』の宣伝を担当しているので、
図らずも、最新情報を書いてしまうことがあるやもしれません。

では、引き継ぐに当たり、
あだ名の由来を紹介しておきます。
そのあだ名が付いたのは、彼の名誉のために書きますが、
決して、「チン」が「なよ」だからではありません。
事実はどうか知りませんが、由来は違います。

彼は去年の2月にジブリに入社しました。
そして、高畑勲監督の企画を進めるため
資料収集などをやっておりました。
2月の終わり頃、Aさんが、彼の机の上に
『なよたけ』という戯曲の単行本が置いてあるのを発見します。

Aさんは、さっそく周囲に吹聴して回りました。
「ケッサク! なよたけだって、あははは」
彼は、やたらと細く、色が白く、
見るからに「なよたけ」だったのです。
その日から、彼のあだ名は「なよたけ」になりました

それはいつしか「なよ」になり、「なよチン」へと変化します。
ここにいたって注意すべきは、アクセントです。
最初は、誰もが“健全”なアクセントで発音していました。
しかしあるとき、それを聞いた女性が赤面したのです。

ああ、汝、禁断の果実を食べしか!

このとき、彼の運命は決まりました。
いや、「なよたけ」と命名されていたとき、
すでに決まっていたのかもしれません。
彼は、その4カ月後、命名者Aさんと結ばれたのです。

では、しばしこの日誌をナヨチンに預けます。
今後は、彼の目を通して私の有様をお届けすることになります。