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2006年1月 5日

第十二回 雑談もまた勉強

あけまして、おめでとうございます。

制作日誌で書かれているように、
3日から出社していたのですが、
制作に集中するため、日誌はお休みしていました。

これまでは、私の「考え」を主に書いてきましたが、
読み返してみると、
こういったものを書くのが初めてということもあって、
肩に力が入っていたようです。
これからは、日々の私の動きを徒然なるままに書いていきます。

昨日はこんな一日でした。
・9時に出社。
・毎日の日課として、席に着くと、まず、
前日にどのカットの、どの作業が、どれくらい進んでいるかを確認します。
・11時から原画マンと作画打ち合わせ(絵コンテをもとに、
作品全体の方向性や、そのカットのキャラクターの見せ方、
光の方向や影のつけ方を話し合いことです。
略して「作打ち」と言います)を2件。
・12時過ぎから昼食。
・1時ごろから作打ちを1件。
・美術部の武重さんのところに行って、背景のチェック。
・レイアウト(実写でいうところのカメラワーク)のチェック。
・夕方、仕上げの保田さんと30分程度の雑談。
・9時に帰るまでレイアウトチェック。

「保田さんと雑談」と書きましたが、
色彩設計の保田道世さんは、映画「太陽の王子 ホルスの大冒険」(68)や
テレビシリーズ「アルプスの少女ハイジ」(74~)の頃から
高畑勲、宮崎駿両監督と一緒にやってきた方で、
単にキャラクターの色を指定するのではなく、
最終的に画面全体がどうなるかも見てもらっています。

キャラクターの色の良し悪しというのは、
単にその色がきれいとか汚いということではなくて、
背景の美術と合わさって、ひとつの世界をつくるときに決まります。

つまり、アニメーターが描いたキャラクターや
美術部の人たちが描いた背景を
よりよくひとつの世界に仕上げていくのが保田さんの仕事で、
さらに工程が進めば撮影部・奥井さんの仕事になります。

もちろん、ベースになる作画や美術があってのことなのですが、
保田さんの仕事によって、画面がつやっぽくもなるし淡白にもなります。

アニメーションの経験のない私には、全体の色の微妙なバランスについて
判断する能力が、まだ十分とは言えません。
だから、経験豊かな保田さんに
「こうしたほうが、よりよくなる」というイメージを
おりにふれて話しをしながら教えてもらっているのです。

私にとっては、ほんのささいな雑談も大切な勉強なのです。