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2005年12月30日

第十一回 ただ、実践あるのみ

いよいよ年が暮れようとしています。
『ゲド戦記』の制作も、
今年9月に作画インして、約4ヶ月がすぎました。
いまのところ、とても順調に進んでいます。

今回は、今年最後の更新。
締めくくりとして、
私が日々やっている仕事をざっと紹介します。

私はこれまで、『ゲド戦記』の制作にかかわって以来、
まずプロットをつくり、
脚本の作成にかかわり、
絵コンテを描き、
現在は、
原画マンの描いたレイアウト
(実写のカメラワークに当たります)をチェックし、
自分でもレイアウトを描いています。

正直に言って、
私は最初、レイアウトどころか、
自分が絵コンテを描くとすら思っていませんでした。

アニメーションに関してはずぶの素人なので、
頭の中のイメージを絵で描くことはできても、
アニメーションや映画についての専門的な知識が
圧倒的に不足しています。

たとえば、カメラワークを指示する用語についての知識がなかったので、
「パンUP↑(カメラを上に向けるカメラワーク)」を「カメラUP↑」などと
自己流で表現していました。

今考えると、
描く私はもちろん、描かせる鈴木プロデューサーも無謀なのですが、
私は性格的に、何事も「実践あるのみ」なので、
まず、実際に作業をはじめて、そこで試行錯誤して、
スタッフのみんなにアドバイスしてもらい、
その中で仕事を覚えていきました。
それがよかったのだと思います。
たぶん、「本を読んで勉強してから描こう」などとやっていたら、
絵コンテを描くどころか、
映画をつくり始めることすらできませんでした。

この日誌は、今年はこれでおしまいです。
これまでは、私が、なぜ『ゲド戦記』の監督をやろうと思ったか、
どんなことを考えている人間なのか、をお伝えしてきました。
年が明けてからは、本来の「日誌」というかたちに戻し、
その日1日、どんなことがあったのかをお伝えしていきます。

それではみなさん、よいお年を。