「野中くん発 ジブリだより」 5月号

 スタジオジブリ最新作「レッドタートル ある島の物語」(マイケル・デュドク・ドゥ・ヴィット監督)ですが、遂に完成し、5月11日(水)から5月22日(日)まで開催される第69回カンヌ国際映画祭に出品されます。ジブリ作品では初めての「ある視点」部門です。同部門は独特のスタイルやビジョンを持つとされる作品が上映され、「ある視点」賞や監督賞、審査員賞の選定もあります。果たしてこの作品がどのような評価を受けるのか、注目です。なお、日本の公開日は9月17日(土)に決まりました。ご期待下さい。

 さて、先月4月号の本誌はLINE特集でしたが、4月から「となりのトトロ」のキャラクターがLINEのスタンプになって発売されました。ジブリ作品のキャラクターをLINEのスタンプとして購入出来るのは今回が初めて。新しいメディアにはいつもとても慎重なジブリですが、先月号にあったように、日本だけで6800万人(昨年12月現在)がLINEの登録をしているそうで、そうした状況もあり、この販売を始めました。現在発売中のイラストは40点で、いずれも鈴木敏夫プロデューサーの描き下ろし。トトロたちが表情豊かに描かれていて好評です。

 鈴木プロデューサーと言えば、5月20日(金)公開の押井守監督の新作実写映画「GARMWARS ガルム・ウォーズ」(Production I.G作品)の日本語版プロデューサーも務めています。鈴木さんは2004年公開の押井監督作品「イノセンス」でも共同プロデューサーを担当しましたが、長年に亘る押井さんとの友情から今回も参加。構想15年、製作費20億円、撮影をすべて北米で行い英語で制作されたこのSFファンタジーの日本語吹替版をプロデュースしました。先日試写を観た押井監督も「期待してなかったけどすごく良かった」と感想を述べたとのこと。ぜひ劇場でご覧下さい。

 最後に三鷹の森ジブリ美術館からのお知らせを。現在、改修工事のため7月15日(金)まで長期休館中ですが、今年も7月と8月の入場チケットについては先行抽選販売を行います。7月分は5月25日(水)〜5月31日(火)に、8月分は6月25日(土)〜6月30日(木)にそれぞれ受け付け、抽選を実施。また、7月入場分から、チケット券面に購入者の氏名を印字する方式に変更されます。いずれも詳しくはジブリ美術館のホームページをご覧下さい。