「野中くん発 ジブリだより」 4月号

 春になりました。この号が出るまでにはきっと桜もすっかり咲いていることでしょう。この時期、ジブリ関連の色んな展覧会が各地で実施されます。

 まず「思い出のマーニー×種田陽平展」が6月7日(日)まで松山市の愛媛県美術館で開催中です。ジブリ最新作「思い出のマーニー」は先日ブルーレイディスクとDVDが発売されたばかりですが、この作品が昨夏封切られた折に、江戸東京博物館で開催され大好評だった展覧会の巡回展です。愛媛県美術館では「借りぐらしのアリエッティ×種田陽平展」も開催しているので、いわばその第2弾と言えるでしょう。「アリエッティ展」の時と同様に、美術監督・種田陽平さんが平面のアニメーション世界を三次元の立体空間の中で鮮やかに展開。東京展には無かった展示も加わって、前回以上に見応えのある内容になっています。

 次に、新潟市アニメ・マンガ情報館で5月10日(日)まで開催中の「スタジオジブリ『思い出のマーニー』監督 米林宏昌原画展」。こちらも昨年、池袋や横浜で開催され好評だった展覧会の巡回展です。ご存知のように米林監督(愛称・麻呂)はアニメーター出身で絵が上手く、特に少女の描写に定評があります。この展覧会のコピーは「麻呂が描くジブリヒロインたち。」。米林くんがこれまでジブリ作品でアニメーターとして描いてきた原画や、監督作「アリエッティ」「マーニー」で描いたイメージボード・スケッチ類、そして個人的に描いてきたイラストを多数展示し、繊細で気品ある彼の絵の魅力が堪能出来ると共に、それぞれのジブリ作品の世界にも触れることが出来る展覧会です。

 そして熊本市現代美術館では4月11日(土)から6月28日(日)まで、「館長庵野秀明 特撮博物館 ミニチュアで見る昭和平成の技」が開催されます。庵野館長、樋口真嗣副館長らの熱い特撮への思いがぎっしり詰まったこの展覧会、もはや説明は不要でしょう。2012年夏に東京都現代美術館で実施され大変好評でしたが、その後愛媛、新潟、名古屋と巡回し、この熊本展が最終開催地となります。お見逃しなく。

 最後にご紹介するのは、信州小布施の北斎館で6月30日(火)まで開催中の「北斎とその弟子たち 北斎絵画 創作の秘密」。同館の新館落成を記念して開かれるこの展覧会、「神奈川沖浪裏はいかにして生まれたか?」がテーマです。縁あってジブリは企画協力として関わっていますので、こちらもどうぞ宜しく。