「野中くん発 ジブリだより」 2月号

 すでに皆さんご存知と思いますが、1月15日(木)夜、第87回米国アカデミー賞のノミネート発表があり、高畑勲監督の「かぐや姫の物語」が長編アニメーション映画部門にノミネートされました。嬉しいことです。長編アニメーション映画部門は2002年開催の第74回から設けられた割と新しい賞ですが、翌年の第75回で「千と千尋の神隠し」が受賞しています。その後も2006年に「ハウルの動く城」、2014年に「風立ちぬ」がノミネートされましたが残念ながら受賞には至りませんでした。昨年秋には宮崎駿監督がアカデミー名誉賞を授与されましたが、これは個人の長年の業績に対しての賞。もし「かぐや姫」が受賞したら、ジブリ作品に対する賞としては12年ぶりの栄誉ということになります。「千尋」のときはイラク戦争開戦の時期で、監督やプロデューサーは渡米を控えましたが、今回は高畑監督、西村義明プロデューサーが2月22日(日本時間だと23日月曜日の午前)開催の授賞式に出席の予定。ノミネート作品は全部で5本あり、この中から1本がその日、選ばれるわけですが、出来れば壇上でオスカー像を受け取る2人の姿を見たいですね。

 アカデミー賞と言えば、1月14日(水)に発表された第38回日本アカデミー賞優秀賞で「思い出のマーニー」がアニメーション作品賞部門の受賞作となりました。こちらの授賞式は2月27日(金)。当日、5本の優秀賞作品の中から1本が、最優秀アニメーション作品賞に選ばれます。米林宏昌監督と西村プロデューサーが出席予定ですが、やはり受賞を期待したいです。

 さて、以前にもこのコーナーで紹介しました、小金井公園内の江戸東京たてもの園で開催中の「ジブリの立体建造物展」、昨年7月から始まって好評につき会期を3ヶ月間延長しましたが、いよいよ終幕が近づいてきました。最終日は3月15日(日)。延長に伴い、新たに音声ガイドが導入され、展示品もいくつか入れ替えや追加が行われていますので、ぜひどうぞ。

 最後になりましたが、「かぐや姫の物語」で劇中歌として流れ好評だった「わらべ唄」「天女の歌」が、久石譲さんの手により新たに合唱曲「わらべ唄」として生まれ変わりました。同作の背景音楽に高畑監督が新たに歌詞を付けた合唱曲「なよたけのかぐや姫」と共に新録音され、シングルCD「かぐや姫の物語〜女声三部合唱のための〜」として徳間ジャパンコミュニケーションズより発売中です。どうぞよろしく。