「野中くん発 ジブリだより」 1月号

 皆さん、明けましておめでとうございます。2014年が始まりました。

 スタジオジブリにとって昨年は、2本の長編を公開するという異例の年でした。7月20日に封切られた宮崎駿監督の「風立ちぬ」、そして11月23日に封切られた高畑勲監督の「かぐや姫の物語」。おかげさまでどちらの作品も非常に評価が高く、また、多くの方に作品を観ていただくことが出来ました。深く御礼申し上げます。もっとも「かぐや姫の物語」はほぼお正月映画同様の公開時期であり、上映はまだまだ続きます。ご覧になっていない方がもしいらしたら、どうかお近くの劇場でご鑑賞下さい。

 高畑勲監督作品と宮崎駿監督作品の長編2本の大作を完成させ、連続して公開するというのは、制作部門にとっても事務部門にとっても大変な1年でした。「かぐや姫」の公開はまだ続いていますが、ともかく、こ
の2本を世に送り出した昨年は、ジブリにとっても大きな節目の年だったと思います。その年を乗り切った今、新年は新たな気持ちでまた進んで行けたら、と思います。

 今年のジブリについては、昨年末に発表されたとおり、「思い出のマーニー」を夏に公開予定です。この作品は、ジョーン・G・ロビンソン著の同名のイギリスの児童文学が原作で、監督は米林宏昌くん。「借りぐらしのアリエッティ」に続く第2回監督作品となります。現在、鋭意制作中ですので完成まであと半年ほどお待ち下さい。

 三鷹の森ジブリ美術館もお陰様で昨年は大変好調でした。新作映画が公開される年というのは、それだけ世間でジブリに対する注目が高まるので、連動して美術館の入館者数が増える傾向が以前からありました。しかし一昨年くらい前から、ほぼ連日満員の日々が続いており、これはどうも映画の公開に関わりなくそうなっているようです。海外からのお客さんが増えたのも理由の1つらしいのですが、ともかく有難いことです。三鷹の森ジブリ美術館は新年は例年通り1月3日より営業を開始しました。現在企画展示として、昨年より引き続き「ジブリの森のレンズ展」を開催中。チケットは予約制ですのでコンビニエンスストアのローソンで予めお求め下さい。

 というわけで、改めまして、スタジオも美術館もどちらも、本年も宜しくお願い申し上げます。